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相次ぐ海外クレカの利用制限 日本の“デジタル植民地化”、対抗できるのはmixiか?NEWS Weekly Top10

» 2024年04月16日 11時49分 公開
[岡田有花ITmedia]

 桜満開の春だ! と思ったら、急に夏日が来た。2024年も灼熱の夏が近づいているようで、この先の季節にちょっとゲンナリしている。

 さて、先週のアクセス1位は、成人向けコンテンツを扱っている日本のサイトで、国際ブランドのクレジットカードの取り扱いが制限された、という記事だ。ランキング圏外の記事でも、別のサイトで同様な事態が起きたことが書かれている。

成人アニメ老舗ブランドでVisa/Masterカードの決済が停止に

 この2サイト以外にも、日本の多数のサイトで似た問題が起きている。詳しい理由は不明だが、コンテンツの内容や料率で合意できなかった可能性が指摘されている(参考記事:DMMの「Mastercard取引停止」で考える“カード決済の裏” クレカの扱いがなくなる複数の理由)が、カード決済が利用しづらくなることは、サービスにとって大きな打撃だ。

 「日本のユーザーが海外の巨大プラットフォームに困らせられる」という点では、SNSでも似たような事態が起きていると感じている。

 例えば、X(旧Twitter)のリプライ欄をコピペだらけの無意味なものにしてしまうインプレゾンビは日本のユーザーから忌み嫌われているが、米X社の対策は後手に回っている。

 Facebookで著名人をかたって偽の広告を出すなりすまし広告も大きな問題だ。先日、なりすまされた著名人の一人である前澤友作さんが抗議し、米Metaを提訴する方針を表明。松本剛明総務相も対策を検討していると記者会見で述べているが、米Metaから対応の表明はない。

日本が「デジタル植民地」に? 対抗馬はmixiか

 カード問題もSNS問題も、日本とは異なる常識や法制度で動いている海外企業が、日本のユーザーが使うプラットフォームを握っているからこそ起きているといえる。クラウドサービスや生成AIサービスも、海外プラットフォーマーが多くのシェアを握っている。

 海外のプラットフォームを日本のユーザーの多くが使わざるを得ず、その動向に左右される状態を「デジタル植民地化」と表現することがある。

 対策はないのか。カードについては、日本の各社が独自の電子マネーを発行することで、カードを利用せずに決済可能にしようという動きが出てきている。

 SNSについては、日本のユーザー向けに、日本のニーズをくみとりながら運営するサービスが出てきてほしいと筆者は感じている。

 かつてのmixiはそうだった。「ユーザーファースト」を掲げ、ユーザーの声を聞きながら改善し、新機能がユーザーから批判されるとあたふたしていた。今思うとmixiは、日本のユーザーにとても優しい、話をよく聞いてくれるサービスだった。

デジタル植民地化の救世主はmixi?

 mixi復権……はおそらく難しいだろうが、XやFacebookに日本のユーザーがウンザリしている今、日本のニーズに特化した新たなSNSやコミュニティーサービスは、成長の余地があるのではないだろうか。

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