ここ日本で、Teslaは今よりもさらに販売台数を伸ばすことができるのでしょうか。2025年後半には、2万5000ドルで販売される予定のさらなる普及を狙ったモデルの生産が開始されるそうです。これが日本に導入されると、Teslaはより身近な存在になると思われます。
ただ、ロイターが2万5000ドルカーの開発を中止したと報じました。イーロン・マスク氏は、「嘘つき」とXで否定していますが、真相はどこにあるのでしょうか。
日本の販売予想を語る前に、まずは、現状の数字を把握しておきましょう。現在、Teslaのクルマは日本でどのくらいの数が走っているのでしょうか。2022年3月14日に届け出された、ほぼすべての車種を対象としたリコールでは、対象台数を1万1425台としていました。
廃車になった個体もあるでしょうが、この時点で1万台以上のTeslaが日本の道を走っていたことになります。日本自動車輸入組合の統計資料によると、以後の追加登録台数は、ざっくりと1万1000台程度です。つまり、今日本には2万2000台弱のTeslaが走っている計算になります。
単年度で見ると2023年には、約5500台の登録がありました。他の輸入車と比較すると、シトロエンやフィアットとほぼ同じ数です。街中で見かけるレア度という意味では体感的に納得できる数字です。
ただ、この両ブランドは、Stellantisジャパンの下で他のブランドと共に輸入されているので、販売店やサービス拠点の数など、輸入車ビジネスの観点からは単純比較は難しいのかもしれません。
「さらなる普及を目指すのであれば、サービスセンターを日本全国に100箇所を目安に設置する必要があると思います。米国でも、サービスセンターを増やすことでユーザーも増加しました。中国のBYDが100箇所を目標にしていますが、彼らはその重要性をわかっているからだと思います」
ただ、安川氏はサービスセンターの増設は簡単な話ではないと付け加えます。
「Teslaは、同じモデル同じ年式でも、個別パーツの仕様を頻繁に変更します。それらすべての部品を在庫して管理するのは大変なコストとリソースを必要とします。ビジネスとして成立するかどうはわかりません」
思えば、Teslaは、Model 3の量産時に「量産地獄」という問題に直面しました。イーロン・マスク氏自身も「プロトタイプを作るのは簡単だが、それを量産するのは大変なことだ」といった意味の発言をしています。
量産地獄の次には「整備地獄」が訪れると予想する評論家もいます。販売台数が増加するにつれ、クルマのサービスについて様々な考えを持つユーザーが増えることが一因です。
世界的に見ても日本のユーザーは、品質やサービス対応に対し、厳しい目を持っているそうなので、そのような市場でTeslaが普及した際、多くの顧客を満足させられるのかどうかは未知数です。
逆の見方をすると、そのような市場で鍛えられた基準をグローバル展開することで顧客の信頼を得ることができる可能性もあります。
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