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NEC、「AIで迅速な犯罪解決」目指す米スタートアップに出資

» 2024年05月09日 21時00分 公開
[ITmedia]

 NEC傘下で、シリコンバレーで新事業の創出を推進するNEC Xは5月8日、警察署間の情報共有システムを提供する米国のスタートアップMultitude Insightsに出資したと発表した。NEC Xが運営するベンチャースタジオプログラム「Elev X! Boost」の一環として実施する。

 Multitude Insightsは日本人起業家の伊豆明彦氏が共同創業者 兼 COOを務める企業。米国の警察署などの法執行機関向けに、犯罪捜査などにおいて効率的な連携を促進するツール「BLTN」を提供している。BLTNはAIを活用して関連する犯罪の検索と分析を実施する他、警察署間や他の法執行機関などとの情報共有を円滑化することで、迅速な犯罪解決を可能にするという。

 これまで米国の警察では管轄区域を超えた情報共有や検索、連携のための効果的なツールを持たず、メーリングリストやファクスなどによる情報共有が一般的だった。そのため同一容疑者による犯罪であっても、管轄の異なる警察署間の捜査データを共有する手続きに工数を要し、事件解決に時間がかかっていた。

 BLTNの導入により警察署間のコミュニケーションを円滑化することで、容疑者に関する情報発信や速報の共有、追跡が可能になり、事件解決率の向上や犯罪の迅速な解決につながるという。

 今回出資したベンチャースタジオプログラムElev X! Boostは、シードフェーズのスタートアップにNECの技術を提供することで製品を強化し、事業成長を支援するプログラム。

 NECグループは、長年にわたりパブリックセーフティを支える基盤技術の研究開発などに取り組んできた強みを生かし、BLTNの機能強化や事業拡大に向けた支援を進めるとともに、警察署間の連携促進による安全・安心な社会を実現するとしている。

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