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スマホ専用ゾーン付き 老眼鏡の「見えにくい」問題をかなり解消してくれる「デジタイム」はデジタル時代の“作業用メガネ”か分かりにくいけれど面白いモノたち(4/5 ページ)

» 2024年05月27日 13時10分 公開
[納富廉邦ITmedia]

 実際、「デジタイム」を入れたメガネを掛けて原稿を書いていると、その間に、何かが見えにくいということが全くなくなった。しかも、疲れにくくなった気もする。もちろん、遠くは見えない。基本的に80cmまでは見え方を保証するという、「デジタイム」の中でも『Near』というタイプのレンズだし、さらに、伏見眼鏡店店主の伏見浩一さんによって、さらに私の仕事用にカスタマイズされている。この、眼鏡店側でもカスタマイズする余地があるのが、このレンズの面白いところだと、伏見さんは言う。

「デジタイム」のテストレンズ。実際の度数合わせの手順は、客側にしてみれば通常のメガネと同じだが、「デジタイム」のためのパラメータがあるので、眼鏡店側の作業は少し難しいらしい

「変わったレンズだから、ニコン・エシロールさんからも、合わせ方のマニュアルを頂いているんですね。ほとんどの場合、その推奨されている合わせ方で問題ありません。ウチのお客様もほとんどの方が、それで満足されます。ただ、納富さんは極端に視力が低いので、奥行きを80cmにすると、ちょっと度が強くなってしまうんですね。ただ、納富さんは家で仕事されているし、PCの画面より遠いものを仕事中に見ることもあまりないということでした。またどちらかというと、手元の小さな文字がキレイに見える方が良いということでしたから、奥行きを60cmで合わせました。こうすることで、遠くから近くへの度数の変化も少なくすることができますし、近くが見えやすくなります」と伏見眼鏡店さん。

 なるほど、確かに私の場合、対面の同僚の顔を見る必要はない。ディスプレイは2台あるけれど、どちらの画面も60cm以内に収まっているし、むしろ横目で画面が見えることのメリットが大きい。こういう視線移動による見え方の違いが、老眼鏡や近々の累進レンズの一番のストレスだったのだが、それが全くないというのは、本当に作業が楽になるということを、このメガネにして初めて知った。

伏見眼鏡店店主、伏見浩一さんと、バリラックスのレンズを合わせる時に使う、実際の作業のシミュレーションが行えるディスプレイ。テストレンズで「デジタイム」の度を合わせたあとは、ここで実際の効果を確認できる

 もちろん、普段の生活には「バリラックスXR」一本で、何の問題もない。読書も、映画鑑賞も、美術館もライブも、取材も、このメガネだけで済むというのは、本当に快適だ。一方で、長時間、紙の本を読むとか、集中して原稿を書くとか、本のレイアウトなどの、近い距離での文字入力と少し離れて全体のデザインを見る作業が交互にあるような場合、「デジタイム」を使うと、本当に楽なのだ。

 実際、バリラックスのホームページでも、普段遣い用の遠近両用の累進レンズとの併用を勧めている。つまり老眼鏡的なポジションではあるけれど、圧倒的にストレスが少ない。これならメガネの2本使いが苦にならない。

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