パナソニックは6月6日、マイクロフォーサーズ規格の新型ミラーレスカメラ「LUMIX GH7」を発表した。動画に注力したGHシリーズ最新作で、RAW動画の内部記録や「ARRI LogC3」をサポートする他、別売のXLRマイクアダプターを装着することで、一眼で初となる32bitフロート録音をサポートする。
新開発のイメージセンサーは、2520万画素の裏面照射型。779点の像面位相差AFを搭載し、AF精度と速度が向上した他、人物や動物、クルマなどを認識する「リアルタイム認識AF」に飛行機と列車を追加した。画像エンジンは、ライカとパナソニックが共同開発した「L2 Technology」搭載のヴィーナスエンジンを採用する。
ボディ内手ブレ補正は7.5段分に達し、レンズ内手ブレ補正と協調動作する「Dual I.S. 2」、動画の手持ち撮影をサポートする「アクティブ I.S.」が利用できる他、より大きな手ブレを補正できる電子手ブレ補正(E.I.S)も併用可能だ。
最大の特徴でもある動画機能を大幅強化。最大5.7K/59.94p、Cinema 4K/119.88p、4K/119.88pの10bit内部記録が可能な他、GHシリーズで初めてRAW動画の内部収録に対応。最大5.7K/29.97p、Cinema 4K/59.94pのApple ProRes RAW HQをCFexpressカード/USB接続の外部SSDに記録できる。ProRes 422 HQ/ProRes 422ならSDカードへの記録も可能だ。
HDMIを使った外部記録にも対応。動画記録中にHDMI端子から4:2:2 10bitで映像出力する「HDMIモニタリングスルー」のほか、動画RAWデータのHDMI出力も可能。ATOMOSのNINJAシリーズやSHOGUNシリーズや、Blackmagic Designの「Video Assist 12G HDR」と接続することで、PreRes RAWやBlackmagic RAWでの記録が可能となる。
加えて、アップグレードソフトウェアキーを購入することで「ARRI LogC3」が利用可能。業界最大手のARRI製シネマカメラとカラーマッチングできるようになる。「ARRI Look Library」には、87種類のARRI Look Fileが付属。LUTをリアルタイムに適用させながら記録できる「リアルタイムLUT」と、709変換用LUTパッケージを組み合わせることで、ARRI Lookの色味で直接収録できるという。
レンズ交換式デジタルカメラとして初の32bitフロート録音に対応。別売のマイクロフォンアダプター「DMW-XLR2」を使用した場合に限るが、撮影時に突然発生しがちな大きな音による音割れや、ささやき声などの小音量をカバーでき、音声収録時のミスを気にせず撮影に集中できるとしている。
ボディはGH6を継承。GH6向けに揃えた機材・設備を生かしたままGH7にスイッチできるという。マグネシウム合金製で、動画の長時間撮影を実現する冷却ファンを内蔵しつつ、防塵防滴設計・マイナス10度の耐低温性能を実現している。重さは本体のみで約721g、バッテリーやSDカード込みで約805g。液晶パネルは、183万ドットでチルトとバリアングルを両方備える「チルトフリーアングル」を採用。OLEDファインダーは倍率約0.8倍で368万ドットだ。
インタフェースは、USB TypeCポート(PD充電・給電対応)、HDMI TypeAポート、マイク端子、ヘッドフォン端子、リモート端子、フラッシュシンクロ端子(タイムコードIN/OUT兼用)、SD/CFexpressのデュアルスロットを備える。Wi-Fiは2.4GHz/5GHzに対応。新アプリ「LUMIX Lab」の他、米Adobeの「Frame.io Camera to Cloud」をサポートし、Wi-FiやUSBテザリング経由で、直接静止画やプロキシ動画をアップロード可能。編集者は本データが到着する前にプロキシ動画で編集作業に取り掛かれる。
価格はオープンプライスだが、市場想定価格はボディ単体で税込27万4200円前後。「LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm」が付属するレンズキットは34万7500円前後。マイクロフォンアダプター「DMW-XLR2」は5万5400円前後。ARRI LogC3のソフトウェアキー「DMW-SFU3A」は3万3000円前後。ソフトウェアキーはパナソニック公式EC以外にも一部販売店で取り扱うとしている。
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