大阪・関西万博の「工事見学ツアー」が6月30日に始まったが、写真撮影のルール変更で参加者自身による撮影が不可となり、SNSでは「厳しすぎる」「何を隠したいのか」などと物議を醸している。ツアーを企画・実施した日本旅行に理由を聞いた。
ツアーは、大阪府咲州庁舎からバスに乗り、万博会場を視察するというもの。6月30日から10月下旬までの期間に6日を使って計36回を行う。各回25人まで限定ということもあり、売り出し当日に売り切れる人気となった。
しかし、開催前にパンプレットが改訂され、万博会場内での写真撮影に関するルールが突然厳しくなった。改訂前は、撮影できる場所は限定されることと、工事関係者や工事車両、特定の資機材などが映り込むような撮影は禁止するとは書かれてたものの、撮影自体を禁じてはいなかった。
改訂は2度あり、1度目の改訂では、撮影場所を1カ所に限定した上、参加者自身による撮影は「一切禁止」。ツアーに随行するスタッフにカメラを預けて撮影してもらう形となった。しかも1人1枚のみだ。
この撮影制限に対し、SNSでは「厳しすぎる」「万博協会は何を隠したいのか?」など、ネガティブな投稿が急増。結局、第1回ツアーが実施される前に再度の改訂が行われ、「お一人様1枚」という記述はなくなった。
ツアーを主催する日本旅行大阪法人営業統括部は、撮影制限を設けた理由について、時間不足を挙げた。「ツアー募集以降、工事の状況を踏まえ、参加者に安全に、満足してもらえるルートを協議したが、短い時間の中では撮影時間が不足する。(参加者の間で)不公平感が生じてはまずいと考え、スタッフが撮影する形にした」と説明している。一度は設けた「1人1枚」という制限をなくしたのは、「時間のゆるす限り(スタッフが)対応するため」という。
また撮影ルール変更について、SNSで「万博協会の要請があったのではないか」などと言われている点については「そんなことはない」と否定。「内情については答えられないが、協会側から具体的に『こうしろ』といった話はない」とした。なお、初回ツアー参加者からもクレームなどはなかったという。
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