兼松など4社が4月に立ち上げた、国内セキュリティ企業を専門とする投資ファンド・日本サイバーセキュリティファンド(NCSF)は7月29日、新たに出資者として参加するセキュリティ企業13社を発表した。13社はファンドにLP出資する他、出資先企業の選定や支援にも協力する。新たに参加した企業は以下の通り。
NCSFは、資産運用会社のウエルインベストメント(東京度新宿区)をファンド運営に責任を負う無限責任組合員として、兼松、兼松エレクトロニクス、セキュリティ企業のグローバルセキュリティエキスパート(同港区)が立ち上げた。
投資対象はアーリー〜レイターラウンドのスタートアップ。アーリーの場合は国内外を問わず新規性の高い技術を持つ企業に、ミドル〜レイターは国内のセキュリティスタートアップに投資する。セキュリティ関連であれば商材を問わず幅広く検討するという。
投資先企業数は30社程度を見込む。1社当たりの出資額は数千万円〜数億円程度。現時点では20億円程度を集めており、今秋には金融機関の参画も募って、最大100億円規模のファンド組成を目指す。
出資13社の発表会見に登壇したグローバルセキュリティエキスパートの青柳史郎社長は、セキュリティを巡る投資環境について「SIerに比べセキュリティ業界の規模感や時価総額は明らかに異なる。投資家にとって魅力に映っていない」と分析する。
一方でサイバー攻撃は激化していることから「セキュリティを成長産業にしなければいけない。人材を増やしていき、セキュリティ業界の市場規模を広げることが必要。同じ課題や志を持った国内の企業や経営者が強固に連携することが、結果日本の企業を守ることにつながる」と、ファンドの設立趣旨を語った。
同じく発表会に登壇したウエルインベストメントの瀧口匡社長も「通常、こういった取り組みはコーポレートベンチャーキャピタルが行うもので、業界がベンチャーキャピタルを立ち上げるケースはまれ。成功すれば、他業界にも波及する可能性がある」と期待を述べた。
経済産業省も文書で「さらなるサイバーセキュリティ対策が促進されるとともに、国際競争力を有したビジネスプレーヤーが生まれることを期待する」とコメントを寄せた。
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