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動画カメラの“本命”か──ソニー「ZV-E10 II」はスマホ世代に向けた秀逸な入門機荻窪圭のデジカメレビュープラス(1/8 ページ)

» 2024年08月17日 13時14分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 個人の見解であるが、ソニー「VLOGCAM」シリーズの本命がやってきた、といって過言じゃないと思う。「ZV-E10 II」だ。

“もふもふ”を付けた「ZV-E10 II」。前モデルを3年分モダンにしてイマドキの仕様となってリニューアルした

 2020年の「ZV-1」以来、ソニーのVLOGCAMはコンパクトカメラ型が3モデル(無印ZV-1、ZV-1 II、ZV-1 F)、ミラーレス一眼が2モデル(APS-CのZV-E10、フルサイズのZV-E1)と5機種登場していたが、1型センサーのコンパクト機だといまひとつスマホとの差別化要素が弱いし、フルサイズセンサー機だと価格も上がるし、レンズも重く高価になるしで、ちょっとハードルが高い。

 その点、ZV-E10はクオリティー的にもスマホと差別化できるし、コンパクトカメラ的な操作感で扱いやすいし、レンズを交換することでより撮影範囲を拡げられる。ただ発売以来数年が経ち、その後続々登場したVLOGCAMに比べると完成度で劣る点があったのだ。

 要するに、ちょっと古いところができたわけで、そこをぐっとてこ入れしてきたのがZV-E10 IIなのだ。

 でもって、これがなかなかVLOGと名付けながらも、カジュアルに写真も動画も撮れる楽しいカメラだったのである。

ZV-E10 IIがαと違うところ

 基本的なところからいくと、ZV-E10 IIは本質的にはAPS-Cサイズセンサーを搭載したミラーレス一眼。同社のαシリーズと違うのは、ボディ内手ブレ補正がないことと、メカシャッターを持たないことだ。

正面から。センサーは約2600万画素と前モデルより増えた。メカシャッターレスで、ボディ内手ブレ補正も未搭載となっている

 手ブレ補正は手ブレ補正対応レンズで行う。動画時は電子的な補正をかけるので光学式手ブレ補正はなくてもなんとかなるといえばなる。

 動画時にアクティブ手ブレ補正をオンにすれば、画角はかなり狭くなるけれども、歩きながらの撮影くらいなら問題ない。派手に動くとさすがにアクションカム系には及ばないが、その辺は使い分けたい。

 メカシャッターレスについては、特に高速なセンサーではないのでローリングシャッター歪みはそれなりにあるけれども、そこは大きな問題ではないと判断されたのだろう。

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