米Adobeは10月14日、映像編集ソフト「Premiere Pro」のβ版向けに「生成拡張」の提供を開始した。生成AIを使って動画の尺を引き伸ばせるもので、「ビデオクリップを延長してギャップを埋めたり、トランジションを滑らかにしたり、ショットを長く保持して完璧なタイミングで編集したりできる」としている。
同社では、動画用モデル「Adobe Firefly Video Model」を開発。他のFireflyモデルと同様、使用許可を得たコンテンツに対してのみトレーニングされており商業利用が可能。ユーザーのコンテンツではトレーニングしないとしている。
拡張は動画だけでなく音声にも対応する。ただし、音声対話の生成拡張部分はミュートされる他、著作権の関係から音楽には非対応。一方で、既存のリミックスツールを使用して音楽トラックを自動的に長くしたり短くしたりできるという。
また、改ざん防止メタデータであるコンテンツクレデンシャルの埋め込みにも対応。生成拡張を使用した後、Adobe Premiere ProおよびMedia Encoderからエクスポートする際に含めることができる。
β版のためいくつかの制限がある。1920×1080または1280×720ピクセルの解像度、16:9のアスペクト比、12〜30fpsまでのフレームレート、8ビット/SDR、モノラルおよびステレオオーディオのみの対応となる。β版を利用したユーザーからのフィードバックを受け、プロユース向けに機能を拡張していくとしている。
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