いわゆる指南サイトでは指摘されていないが、気にしておきたいポイントがいくつかある。意外に見落とされがちなところを考えてみたい。
・ネットワーク環境は自前でも戦えるように
学生のPC必須化に伴って、大学のWi-Fiが遅いという問題が顕在化している。既に回線を増強して解消した所も多いようだが、こればかりは行ってみなければ分からない。
どうしてもダメだという場合は、スマートフォンからのテザリングで凌ぐことも考えられる。状況を見ながらということになるだろうが、一時的にデータが買えるとか、1日使い放題に変更できるといった通信プランで契約しておく必要があるかもしれない。
あるいは研究室に行けば、Ethernetが使えるということもあるだろう。こうした場合に備えて、ネットワーク端子付きの多機能USBーCハブを持たせておくということも検討すべきだろう。
・HDMI端子は結構使える
ノートPCの外部出力端子として、HDMI端子の搭載が増えている。大学で発表の際にプロジェクタ投影で必要とされることもあるが、それよりも家に帰ったら大型ディスプレイにつないで画面を広く使うという用途で便利である。PC専用ディスプレイでなくても、HDMIならテレビにつないで大型画面化することもできる。
ノートPCに端子がなければ、USBーCハブでHDMI出力をサポートしているものをもたせれば問題ない。
・標準がJISキーボードなのは問題ではないのか
日本で売られているノートPCのほとんどがJISキーボードを搭載しており、大学生向けにも普通にそれで通しているが、外国語学部や、文学部英文科、国際学部といったグローバルな学部学科に通う生徒向けもJISキーボードでいいのか、ということも議論されるべきではないだろうか。
日本で学んでいるうちは日本語がメインだから問題ない、と言われるかもしれないが、将来海外で働く可能性が高いことや、外国語をタイプすることが多いことを考えれば、今のうちにUS ANSI配列に慣れておいた方がいい。JISとANSIでは、外国語で頻出する「”」「’」「&」といった記号キーの位置が全然違う。
そもそも海外に出れば、JISキーボードは入手困難だろう。あるいは会社の専用端末を使うことになった場合、少なくともJISキーボードではないだろう。「使っているうちに慣れる」と言われればそうなのだが、その慣れるまでのストレスは大変なものがある。メーカーも大学生用モデルとして販売するのであれば、CTOでUSキーボードも選択できるようにするべきだ。
さて大学1〜2年時のPCの要件は大まかに絞り込めたわけだが、専門課程に進む3〜4年に関して、今から決め込むことにあまり意味がないのではないかと思う。このペースでAIの機能向上が進んで行くとしたら、あと3年後に求められるPCのスペックなど、誰も予想できない。
特に理工学部では研究や解析でAIを使ったり、AIそのものの研究者になる子も増えていくだろう。社会がそれを望むからである。また情報系でも、自動運転車の普及に向けて、処理する情報量が今までとは比べものにならない桁になっている可能性も高い。少なくとも言えるのは、AIの登場により、今年のPCで3年後もまだ戦えるとは限らなくなった、ということである。
筆者の考えを皆さんに押し付けるものではないが、少なくとも大学1〜2年はまだ本気PCでなくても十分、それより3〜4年の専門課程で本気で考えるという方法論がいいのではないかと思っている。皆さんの考えも、SNS等で発信していただければ幸いだ。
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