新生活で一人暮らしを始める人も多いかと思うが、その際欠かせない要素の1つとなるのが自宅のインターネット環境、要はWi-Fi環境の整備である。自宅のWi-Fi環境整備には、大きく分けて「光回線を引く」「ホームルーターを置く」「テザリングでこなす」という3つの選択肢が存在するが、どれを選べばよいのか、そのメリット・デメリットについて解説したい。
春が近づき進学や就職などで新しい生活を始めるため、新居に移り住む人が増えるシーズンとなったが、新居での快適な生活のためにはさまざまな準備をする必要がある。そうした中でも欠かせないものの1つがWi-Fiではないだろうか。
これまで自宅内のWi-Fiを使っていた人も、新居では自分でインターネットの環境整備をしなければ使うことはできないのだが、どの方法で整備するのか悩んでいる人も多いことだろう。そこでここでは、「固定ブロードバンド」「ホームルーター」「スマホのテザリング」という3つの選択肢を挙げ、そのメリットとデメリットについて確認していきたいと思う。
自宅内のWi-Fiを整備する上で、最もスタンダードな選択肢は固定ブロードバンド回線を引く方法だろう。2025年現在、固定ブロードバンド回線の主流は光回線となっており、ケーブルテレビ会社のサービスでもインターネットは光回線の導入をお勧めすることが増えていることから、固定ブロードバンドイコール光回線、となりつつある。
固定ブロードバンド回線の最大のメリットは、何と言っても自宅まで専用のケーブルを引いてインターネット接続ができること。それゆえ電波を複数の人と共有するモバイル通信とは違って通信品質が周辺環境に影響されにくく、ネットワーク遅延も小さい。
通信速度も非常に高速で、光回線を用いたサービスの多くは通信速度が理論値で最大1Gbps〜10Gbpsとなるほか、ダウンロードだけでなくアップロードの通信速度も速い。利用が多い時間帯に混雑が生じて速度が落ちることはもちろんあるのだが、それでも他の方式と比べれば、とりわけアップロードの通信速度は高速であることが多い。
それゆえ動画の配信やクラウドへのデータ保存などでアップロードの通信を頻繁に利用する人、あるいはネットワーク遅延が結果にも影響するゲーミングを重視する人など、通信品質にこだわる人は絶対に固定ブロードバンドを選ぶべきだろう。
ただ一方で、固定ブロードバンドは導入に手間がかかる上、導入場所の柔軟性が低いのが最大のデメリットとなる。回線を引くには自宅内外の工事が必要なため契約してすぐ利用できる訳ではないし、中には工事のため宅内に作業員が上がり込むことを嫌がる人もいることだろう。宅内の構造上、通信に必要なONU(光回線終端装置)やルーターの設置場所が限られる場合がある点にも注意が必要だ。
とりわけ賃貸の集合住宅の場合、建物によってはそもそも光回線を引けない場合があるほか、光回線を部屋に引き込む際に電話回線を用いる「VDSL」が導入されている建物では、通信速度が最大100Mbpsに制限されてしまうといった問題もある。固定ブロードバンド回線を引くには建物選びも重要だということを覚えておきたい。
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