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悩ましき“充電器ガチャ”との闘い――納車4年目のテスラで挑む、「横浜→岡山」往復1500km旅【前編】走るガジェット「Tesla」に乗ってます(3/6 ページ)

» 2025年03月01日 13時00分 公開
[山崎潤一郎ITmedia]

横浜から岡山まで1回の充電で走破可能

 鈴鹿PAで30分間、電力量21.8kWh(充電ロスがあるので実質20.68kWh)、電費122Wh/kmとして約165km分の充電を行いました。SOCは66%まで回復したので、計算上は、SOC11%で実家に到着することができます。

 横浜を100%で出発し、途中30分の充電、しかも、50kWの低出力充電を1回実施しただけで岡山市に到着できる可能性を秘めたModel 3 ロングレンジの実力を実感しました。

CHAdeMO変換アダプターは出力50kWが上限。90〜150kWのCHAdeMO充電器でも使えるようだが料金がより高額になる。鈴鹿PAを充電場所に選んだのは50kW器だから

 ちなみに、エアコンの設定は基本的に21〜22度です。天候に恵まれたので日が高くなるにつれ、全面ガラスルーフから差し込む太陽光のおかげで暑いくらいでした。そのため途中からエアコンをオフにしていました。このあたりも低電費の要因かもしれません。

 ガラスルーフのおかげで太陽光さえあれば、冬でもシートヒーターとハンドルヒーターだけで快適性を確保できます。夏は暑いですが…。

 EVはエンジンという熱源がないから冬はエアコン使用でバッテリー消費が激しいという言説をみかけます。それは事実ではあるのですが、極寒でなければ、エアコンをオフにして送風モードだけでも、メインバッテリーやインバーターを熱源とした温かい風が得られます。Tesla独自のオクトバルブ機構を使った熱マネジメントシステムの勝利といったところでしょうか。

 ちなみに、途中PAでの仮眠中もエアコンをつけっぱなしにできるので、ぬくぬく環境で過ごせました。エンジンを止めなければいけない内燃機関の車だとこうはいきません。さりとて、アイドリング状態のままというのは条例に反し、一酸化炭素中毒の危険をはらみます。

後席からみたガラスルーフ。写真はキャンプ場で撮影したもの。このような樹木に囲まれたSA/PAがあれば最高に気持ちがいいのだが……

 旅の話に戻りましょう。ここで予定変更です。実家には「午後6時までには行く」と伝えてあったので、このままでは早く着きます。せっかくなので以前から訪れてみたかった、岡山県北部の津山市にある津山城跡に立ち寄ることにしました。直接実家を目指すよりも、約50kmほど余分に走行しますが、追加の充電は不要です。

 津山ICに到着する前にどこか適当なSA/PAで昼食を済ませておこうと考え、中国道の勝央SAに立ち寄りました。「高速充電なび」というアプリで確認すると、ここには出力40kWのCHAdeMO充電器が1台設置されています。アプリによるといつも空いているようですし。

 どのみち食事休憩を取るわけですし、実家には充電コンセントがありません。翌日の行動を考えこのSAで充電することにしました。しかし、ここでの充電は後味の悪い思いを残すことになりました。

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