前述の「充電上限設定に伴う効率」について付記しておきましょう。急速充電は、SOCの上昇に伴い効率性が悪化します。つまり、同じ時間でもバッテリーに入る電力量が少なくなっていきます。SOC80%を超えたあたりから急激に悪化します。スマホの充電にも同様のことが言えます。
復路の神戸北SCでは、翌日の行動を考慮し95%まで充電したため66円/kWhと高めの結果です。62円/kWhと最も安価な遠州森町SCでは、自宅まで到達できる量だけ充電すれば良いので、上限を60%に設定し充電時間14分で出発しています。これが功を奏し低コストで充電が可能となりました。自宅には、SOC17%で到着しました。
このような、目的地までの必要にして十分な電力量や充電時間の計算は、Teslaナビの「トリップアドバイザー」が自動的に行ってくれます。他社のEVがこのような機能を備えているのかは分かりませんが、Model 3での長距離旅にはありがたい機能です。約3年前のTesla初心者だった頃、この機能のおかげで安心して遠出ができた記憶があります。
後編は、横浜までの復路の様子を新東名高速道路の120km/h区間で意識的に制限速度上限をキープした際のハイスピード走行時の電費の話題などを盛り込みつつ、趣味の城跡巡りの写真も交えてお届けする予定です。ちなみに、スーパーチャージャーを使用せず、高速道路のSA/PAの充電器だけを利用した際のコスト比較も後編でお知らせします。
著者プロフィール
音楽制作業の傍らライターとしても活動。クラシックジャンルを中心に、多数のアルバム制作に携わる。Pure Sound Dogレコード主宰。ライターとしては、講談社、KADOKAWA、ソフトバンククリエイティブなどから多数の著書を上梓している。また、鍵盤楽器アプリ「Super Manetron」「Pocket Organ C3B3」「Alina String Ensemble」などの開発者。音楽趣味はプログレ。Twitter ID: @yamasakiTesla
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