――ヤナシ社長が行う、生成AIを使った予想手法「生成系競馬予想」は、具体的にはどのような手法なのでしょうか?
ヤナシ社長:まず、ネット上にある膨大な競馬情報の中から、回収率の向上に役立つ最新の予想方法や予想トレンドをAIで発掘します。そして、そこから「適切な的中率を実現しつつ、求める期待値を実現させる買い方」を分析して、新たにAIで生成し続ける手法です。
例えば、独自に集めた特徴量をまとめたスプレッドシートをGeminiにアップ。Deep Researchにかけて、指定した条件に当てはまる馬にどんな傾向があるか、シート内の他のセルや外部のデータベースから調べさせます。人力で1つ1つやるのは大変ですが、Deep Researchなら3分くらいで済みます。出たデータをClaudeでまとめて指定のデザイン法則に基づいたインフォグラフィックにまとめもします。
馬券で勝つのに効果的な要素(ファクター)を探すのは大変ですし、そのファクター自体も日々変化します。私は統計解析とアルゴリズム研究を駆使して、ネット上にあふれる膨大な予想を分析していますが、いま注目しているのは「優秀な予想をするプレイヤーの高回収率ファクター」です。それを解析することで、より強力で安定した予想を作り出す手法を取り入れています。
――株式投資の手法に似ていますね。優秀なファンドを分析して、その投資戦略を学ぶような
ヤナシ社長:まさにその通りです。プレイヤーのスコアリングやランク付けって、競馬の世界では意外と行われていないんです。だからこそ勝てる、という側面もあります(笑)
株式投資で言えば、優秀なインデックスファンド=プレイヤーが、どのような予想ファクター、予想方法を重視しているのかをAIで解析する形ですね。
――「プロ予想スコア」という独自指標にも注目しているとうかがいました
ヤナシ社長:これは、本命馬を単勝・複勝で推奨し、対抗馬を2着以下で購入したい馬として◯▲△の3段階で評価する仕組みです。さらに「プロオッズ」という、プロの予想から算出したオッズも考慮しています。
――「プロオッズ」はどう活用するのでしょうか?
ヤナシ社長:実際のオッズとプロオッズを比較することで、期待値の高い馬を見つけられます。例えば、実際のオッズが10倍でプロオッズが8倍なら「お買い得」、実際のオッズが3倍でプロオッズが5倍なら「お買い得ではない」という判断ができます。
プロオッズの算出と並行して、各予想家の予想が取り込めるサイトからデータを取り込んで独自のオッズを算出し、市場のバイアスを探るような分析も行っています。多数の予想家の予想を統合することで、より客観的な「予想家オッズ」を生成できるんです。これにより、競馬初心者から最上級者まで、それぞれのレベルに応じた馬券戦略を提案できるのが特徴です。
競馬全然知らないけどChatGPT任せでフェブラリーステークスに挑んでみた 1万円がいくらになった?【結果発表編】
AIを使った“利益を出す馬券”の買い方とは? はこだて未来大の准教授がAIによる競馬予想法を指南
競馬全然知らないけどChatGPT任せで1万円賭けてみた 「deep research」代を取り返せるか【計画編】Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR