ITmedia NEWS > 製品動向 >

テスラで横浜→大阪万博へ 1270kmの道中エネルギーコストを“ゼロ”にできた秘策走るガジェット「Tesla」に乗ってます(3/3 ページ)

» 2025年06月22日 18時00分 公開
[山崎潤一郎ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

会場駐車場の充電器で目的地充電の恩恵を実感

 さて、冒頭で言及したエネルギーコストゼロの旅について、横浜から万博会場までの行程や経路充電の状況についてご紹介します。エネルギーコストゼロの理由は、至って単純で、Tesla Japanが昨年末に実施していた紹介キャンペーンによるクレジット付与のたまものと、万博会場の駐車場に設置された無料の充電スタンドを利用したからです。

 紹介キャンペーン期間中、この仕組みを利用すれば、購入者は15万円の値引特典を受けることができ、紹介者にはその半額である7万5000円が付与されるというものです。ちょうど友人がModel 3を購入したので、筆者の紹介ということで、自身のアカウントにクレジットが付与されたわけです。この7万5000円は、1年間有効で、スーパーチャージャーでの充電、点検費用などのTesla Japanへの支払いに充当可能です。今回の旅ではスーパーチャージャー利用分6665円分の充電が無料になりました。

 無料充電の恩恵はスーパーチャージャーだけではありません。万博会場の駐車場には最大6kWの充電器が設置されています。これが無料で提供されているのです。駐車場予約の際に充電器の予約も可能なので、EVで万博を訪れる場合は利用しない手はありません。

専用アプリから充電器のQRコードを読み取って充電を開始。「100V」と明記されているが、200Vの間違いではないのか?実際、ログを確認すると出力約200Vと記録されている

 駐車場の充電器では、約12時間かけて約62kWhを充電しました。午前9時に到着し、すぐに充電を開始したので、21時に会場を後にする頃にはバッテリーは100%でした。駐めている間にエネルギーを満たすことができる目的地充電の利便性を実感しました。駐車場での充電をスーパーチャージャー分に換算すると5000円弱となる計算です。

 万博駐車場の料金は2750円−250円=2500円(夢洲障がい者用駐車場)でした。マイナス250円というのは、阪神高速道路の中心部を迂回したことによるインセンティブ払い戻しです。

中心部を迂回したルートを通行して駐車場に入るとインセンティブ払い戻しを受けることができる。そのため名神高速道路ではなく西名阪自動車を利用して大阪入りをした

 もし、ここで「エネルギーコストゼロ」という文言に違和感を覚えた人がいたら、あなたは間違っていません。実は、自宅において100%まで充電して出発しているので、自宅充電分の2000円弱のコストが発生していることになります。従って正確には、「道中充電のエネルギーコストゼロ」が正確な表現です。盛ってしまいました。ごめんなさい。

 横浜の自宅から万博駐車場までのバッテリーのSOC(State Of Charge)を記すと下記のようになります。

  1. 横浜の自宅を100%で出発、三重県のみえ川越スーパーチャージャーに17%で到着
  2. 充電開始から約5分、ナビのトリップアドバイザーにより、SOC35%で「目的地まで走行可能」とアラートが表示されるが、余裕を見て40%まで充電
  3. 充電時間8分、40%になったタイミングで切り上げて出発
  4. 万博駐車場にSOC10%で到着し充電開始
  5. 会場内を散策中、20時30分頃にアプリに100%充電完了の「通知」

 とまあ、このような段取りです。筆者自身理想的な充電スケジュールが遂行できたと自負しています。トリップアドバイザーが到着時SOC10%残と予測した通り、正確に10%残で万博駐車場に着きました。トリップアドバイザー的な機能は、米Tesla以外には、独メルセデス・ベンツのEVにも搭載されているそうですが、この機能、全てのEVのナビに最低限搭載すべきものだと強く感じました。

一杯3850円そばの元祖「ほんもの」を食べる

 万博見学の翌日は岡山の実家に行き、その翌日は、小学生のときに見学して以来の、姫路城に立ち寄り横浜に帰ってきました。帰路は、(1)神戸北スーパーチャージャーで、約1時間かけて、SOC14%から100%まで、(2)新東名高速道路の遠州森町スーパーチャージャーで約10分で44%から65%まで充電し、自宅にはSOC26%で到着しました。

朝の陽光を浴びて輝く姫路城(上)。ガイドを依頼したら歴史的経緯に加え、石垣、柱、瓦の家紋などの意味するところを事細かに説明してくれた

 最後に万博会場で話題の一杯3850円のそばにまつわる話を書いて筆を置きたいと思います。姫路市名物の「えきそば」で有名な「まねき食品」が「究極の神戸牛すき焼きえきそば」という触れ込みで3850円のそばを会場内で提供していることがニュースになりました。

 ただ、夫婦2人で食すと7700円です。旅で財布のひもが緩んでいるとはいえ、さすがにそばに7700円を支払う気にはなれません。という話を兵庫県たつの市出身の友人に話したら、姫路駅のホームに行けば、"ほんもの"の立ち食い「えきそば」を食べることできると教えてくれました。

姫路駅の5・6番線ホームで食したまねきそば。すしをセットにして630円なり。

 友人いわく「ワシは姫路の高校に通うとった。ほぼ毎日、まねきそばを食うとったで、神戸牛すき焼そばなんぞ邪道じゃ。"ほんもの"を食すべし!」と力説するので、そこまで言うならと、姫路城見学を終えた足で姫路駅の5・6番線ホームに入場券で入り、"ほんもの"のまねきそばを食べてきました。確かに中華麺に絡むまろやかな鰹ダシのつゆは、うまみが効いてなかなかのものでした。立ち食いそばの域を超えていることは確かです。でも、3850円のそばも体験してみたかった、というのが今の本音です。

【訂正:2025年6月23日午後6時】自動運転バスの運用に関し、一部不正確な記述があったため訂正しました。

著者プロフィール

山崎潤一郎

音楽制作業の傍らライターとしても活動。クラシックジャンルを中心に、多数のアルバム制作に携わる。Pure Sound Dogレコード主宰。ライターとしては、講談社、KADOKAWA、ソフトバンククリエイティブなどから多数の著書を上梓している。また、鍵盤楽器アプリ「Super Manetron」「Pocket Organ C3B3」「Alina String Ensemble」などの開発者。音楽趣味はプログレ。Twitter ID: @yamasakiTesla


前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

あなたにおすすめの記事PR