「iPhoneにタイヤをつけたようなクルマ」と表現されるTesla。IT・ビジネス分野のライターである山崎潤一郎が、デジタルガジェットとして、そしてときには、ファミリーカーとしての視点で、この未来からやってきたクルマを連載形式でレポートします。
今回は、おわびと訂正から入ります。前回の「Teslaからの警告 ルールと実態の乖離問題をどう解決するのか」において、富士スバルライン五合目のパーキングに駐めておいたところ、バッテリー残が55%から53%に減っており、その原因をエアコン使用と述べました。
Tesla Model Sを7年半12万km乗っているユーザーからコメントをいただき、それはエアコンが原因ではなく、バッテリーマネジメントにあるとご指摘を受けました。コメントによると、長い登坂の後にはバッテリーの温度が上昇しており、温度管理機能作動による消費とのご指摘です。
不覚にも見落としていたのですが、「TeslaFi」というTeslaの運用におけるもろもろの事象を記録するサイトで当時のログを確認してみると、約1時間の駐車中「プレコンディショニング」として「55%→53%、0.29kWh」の消費が記録されていました。この場合のプレコンディショニングというのは、バッテリーの状態を最適化するための管理機能です。この場を借りておわびとコメント主に謝辞をお伝えします。
EVに限らずリチウムイオン蓄電池の性能を最大限引き出し、劣化を遅らせるためには、バッテリーマネジメントがものをいうそうです。そういえば、iOSやmacOSも充電器に接続したままにして100%だと思って使い始めると、自動的に80%に抑制していることがあります。バッテリーマネジメントが機能した結果でしょう。iPhoneなどのリチウムイオン蓄電池は満充電状態で使用するより、上限を80%としてそこから充放電を繰り返すほうが劣化が進みにくいというのがその理由です。
ちなみに、筆者のModel 3はロングレンジですが、同じModel 3でもRWDグレードは、リン酸鉄リチウムイオン(LFP)蓄電池を搭載していることから、三元系リチウムイオンのロングレンジとは扱いが異なるようです。Teslaのマニュアルには、「LFPバッテリー搭載車両の場合、通常走行であっても充電制限を100%に維持し、少なくとも週1回はフル充電して100%にしておくことを、Teslaでは推奨しています」と記載されています。
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