クラウドインフラの代表格として知られるAWSとAzure。よく「メガクラウド」と一緒くたにもされる両者だが、もちろんサービスの内容や強みはそれぞれ異なる。一方で、大型のクラウドサービスとして共通・類似する機能やサービスもあり、米Microsoftは対照表なんてものも用意している。
この対照表を見ながらぼんやり「この2つで共通するサービスの名前、パッと言えたらかっこいいな、楽に覚える手段ないかな……」と考えていたある日、筆者の頭脳に電撃が走った。そうだ、日本には2つのワードを関連付けて覚えるのに最適な文化があるじゃないか!
そうして生まれたのがWebブラウザ上で動くかるたゲーム「クラウド百人一首」だ。ChatGPT(GPT-4o)のWeb検索機能を活用し、対照表を基にサービス同士の対応関係をスプレッドシートに出力。その後、サービスが1対1で対応していないケースなど、札にしにくそうなものを手動で取り除く。そうしてまとめたデータを参考にさせつつ、o3にコードを書かせた。
ルールは簡単。画面には取り札としてAzureのサービス名が書かれたカード複数枚と、読み札としてAWSのサービス名が書かれたカード1枚が表示される。プレイヤーは、読み札に対応するサービス名を探して取る。10回正解するまでのタイムを記録するので、より速くクリアを目指す。暗記目的なので、ペナルティーは特にない。
一応筆者がどのようにAIへの指示したかも説明する。といっても指示はシンプルで「読札AWS、取札Azureのかるたゲーム作りたい」「ブラウザ上で遊べるようにして」「1回正解するごとにカードの配置はランダムに変更して」「ゲーム性のために、10回正解するまでのタイムを計測して」「サービス名は横書きにして」だけ。あとはAIが勝手にHTMLやJavaScriptを書いてくれた。
ただ、出てきたものを試す最中に、意図しない効果音が出たり、正解がいつも同じ場所にあったりなど不備もあったので、都度AIに頼んで修正した。かかった時間は計20〜30分くらい。何度か実際にやってみたが、筆者にとっては相当難しく、覚えるには結構な回数トライする必要がありそうだった。さすがにカードを100枚同時に出すと“目が滑る”ので、1回に出す回数は30枚くらいにしてもいいかもしれない。
サービスの対応関係をまとめたシートもすぐ作れたので、やろうと思えば白紙のカードを購入してサービス名を書き込むなり、印刷用のデータを作って業者に依頼するなりして“アナログ版”も作れるだろう。クラウド系のコミュニティーで「アマゾンガード……」「決まり句だ! Microsoft Sentinel!」とかやったらまぁまぁ面白いかもしれない。
作っておいてなんだが、良く言えばアイデア勝負、悪く言えば出オチのゲームなので、生成AIを使いこなしている読者諸氏であれば簡単に再現したり、アレンジ・改善したりできるはずだ。MicrosoftはGoogle Cloudとの対照表も公開しているので、別バージョンも作りやすいだろう。遊んでみたい人は試してみてほしい。
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