山形大学は7月28日、南米ペルーにある「ナスカの地上絵」を新たに248点発見したと発表した。これらの地上絵が見つかったのは2023年と24年で、山形大学と米IBMがAIを使った現地調査によって発見。今回の成果によって具象的な地上絵の総数は計893点に達した。
神官や斬首の場面、猛禽類、リャマなどをモチーフにした地上絵が新たに見つかった。ほとんどは小道に沿って特定のテーマごとに配置したものと考えられるといい、それぞれ「人身供儀」「野生の鳥」「家畜」などを表現していると、研究チームは考察している。
「こうした地上絵の空間的な配置は、単なる装飾ではなく、物語やメッセージを伝える目的で意図的に構成された可能性を示唆する。つまり、地上絵は個別に描かれた芸術作品というよりも、共同体の信仰や記憶の継承と深く結びついた、文化的な営みの一部として機能していたと考えられる」(研究チーム)
なお今回発見した248点の内訳は、人間を描いたもの41点、斬首31点、リャマ21点、その他の動物66点、留めピン1点、幾何学図形81点、その他7点。このうち160点が具象的な地上絵だった。
研究チームによると、AIが特定した地上絵候補のうち、また調査できていないものは500点以上あるという。今後も現地調査を続け、実際に地上絵であるか判断していく。
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