「iPhoneにタイヤをつけたようなクルマ」と表現されるTesla。IT・ビジネス分野のライターである山崎潤一郎が、デジタルガジェットとして、そしてときには、ファミリーカーとしての視点で、この未来からやってきたクルマを連載形式でリポートします。
今回は、Teslaにおける自動車保険の爆上がりと米国で始まった自律走行納車について語ります。
友人のModel 3 ロングレンジ AWD。ウルトラレッドはカッコイイ。オプション価格26万9000円の価値はある。「次にModel 3を買うとしたらこの色がいい」と家人に言ったら「葬儀に乗っていけない」と釘を刺された筆者が契約しているソニー損保の自動車保険料が今期から爆上がりしました。前契約では年額11万9520円だったものが、同条件における契約継続プランでは、17万8480円です。なんと1.5倍近い上昇です。約40年に渡る自動車生活においてこのような値上がり経験はありません。実際のところ、更新書類を見てかなりうろたえました。
そこで、保険会社のサポートセンターに連絡してどのような理由で上昇したのかを確認しました。まず、筆者の主な契約内容をご覧ください。
サポート担当者がまず主な値下げ要因として言及したのは、「形式別料率クラス」の段階変更です。「Teslaの人気が出たためでしょうか、事故率が上がっているという判定がなされています」とのこと。
中でも車両料率クラスの上昇の影響が大きいようで、前回契約の際は、「16」だったものが「17」へと最高料率になっています。初年度は、「12」だったと記憶しています。そういえば、当初の保険料は年額で8万円台でした。約2倍になった計算です。
次に指摘されたのは「新車割引」です。この割引きは、新車登録後年々割引率が下がる仕組みであり、前回は5%だったものが3%割引きとなりました。さらに「自動ブレーキ割引」も影響しています。この割引きは、形式の発売年月日から3年以内と適用期間が定められているなど、他の条件との併用で割引率が減るそうです。
そして、筆者固有の要因として「くりこし割引」の影響もあります。前々回、つまり一昨年は走った距離が短かったので1万90円の割引きが適用されましたが、今回は積算距離の実績から割引きなしという結果です。以上の条件が積み重なることで保険料が5割近く上昇しました。
型式別料率クラスは、損害保険料率算出機構が1年に1回見直しを行っており、料率クラスの上昇は保険金支払の実績が多いということを意味します。筆者のModel 3は「3L23B」という型式です。同じModel 3でも登録年などによる複数の型式があるので、すべてのModel 3で筆者の事例が当てはまるものではありません。気になる人は損害保険料率算出機構のサイトで調べることができます。
保険会社のサポート担当が発した「事故率上昇の判定」という言葉にはちょっとばかりショックを覚えました。ただ、保険は、契約者が保険料を出し合い万が一の事故で損害を被った人に対して、その集まった資金から保険金を支払うという「相互扶助」の理念に基づいています。「明日は我が身」です。Model 3ユーザー同士で扶助しあっていると考えれば、料率クラスの上昇も致し方ないでしょう。
ただ、これまで惰性のようにソニー損保のおすすめ継続プランを更新してきたわけですが、せっかくの機会なので他の保険会社も検討してみようという気になりました。料率クラスの上昇は致し方ないとして、特約など他の条件を子細に検討する良い機会だと思ったからです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR