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「楽楽精算」ラクス経営陣の本棚をのぞき見 社長や取締役らの愛読書は……IT経営者の本棚(3/3 ページ)

» 2025年09月16日 10時00分 公開
[吉川大貴ITmedia]
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宮内貴宏取締役兼経営管理本部長の本棚

photo 宮内取締役の本棚・愛読書
photophoto 宮内取締役の本棚・愛読書

読んでいる本についての全体的な傾向

 大学時代の専攻が心理学だったということもあり、心理学関連の書籍が多いかもしれません。社会人になってからは主に管理部門の仕事をしてきたため、管理部門系の専門書に触れる機会も多いですが、どちらかといえば経営やマーケティングといったビジネスに関する書籍の方が多く読んでいると思います。

 あらためて思えば、「会社や事業を成長させるために組織や人をいかに生かすか」ということを終始考えていたように思います。

 実務から得られる知識や経験も大切ですが、過去は過去でしかないですし、いま手元にある知識や経験だけで未来について考えると、視野が狭くなってしまうこともあります。よりよい未来をつくるための経営という側面では、政治や社会、文化、事業環境、人材など、さまざまな要素が複雑に絡みあった全体感の中での判断が必要になります。

 そうした多様な知識を得るためには、紹介するようなビジネス書に限らず、日頃からさまざまなジャンルの書籍を読み、常に新しい知見を吸収することが必要です。こうした知見をもとに全体感の中で思考を繰り返し、経営判断に生かすことを意識しています。私にとって読書は「未来に向けた思考」を行うための重要なプロセスの1つです。

印象に残っている本

 1つ目は「マッキンゼー式世界最強の仕事術」(イーサン・M・ラジエル著)。社会人になって10年目くらいの時に読んだ1冊です。もともと大手のIT企業で働いていましたが、自分の働き方を見直すことにつながりました。今では「事実ベース」や「MECE」(漏れなく、ダブりなく)で考えることなどは当たり前に行っていますが、当時、一心不乱に目の前のタスクをこなすことに集中していた私の働き方を変えてくれました。

 もう一つは「【エッセンシャル版】マネジメント 基本と原則」(P・F・ドラッカー)。誰でも一度は読んだことがあると思いますが、企業の成果とは何か、ミッション、マネジャーの役割などをまとめた、ドラッカーのベーシックな1冊です。ここ数年は自社の規模が大きく拡大し続けていることもあり、マネジメントについて考える時は今でも時々読み返しています。

プロフィール

 富士通での人事部門経験を経て、03年に人事コンサルタント、心理カウンセラーとして独立。13年にラクスに入社し、14年に執行役員に着任。23年から取締役兼経営管理本部長として管理部門を管掌。


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