中国の電子商取引大手アリババは9月24日、従来の電子商取引事業と並んでAIを中核事業の優先課題に位置付け、米NVIDIAとの提携、世界的なデータセンター拡充、新たな人工知能(AI)言語モデルを発表した。
エディー・ウー最高経営責任者(CEO)はアリババ・クラウドが主催する年次会合で、「AI業界の発展スピードはわれわれの想定を大きく上回っており、AIインフラに対する業界の需要も予想をはるかに上回っている」と指摘。AI関連インフラへの投資について具体的な金額は明らかにしなかったものの、支出を一段と拡大する方針だと述べた。
会合でアリババは、データ合成、モデルトレーニング、環境シミュレーション、検証テストなどでのAI機能開発でNVIDIAと提携すると明らかにした。
また同社史上最大のAI言語モデル「Qwen3-Max」を発表。アリババ・クラウドの周靖人最高技術責任者(CTO)は、Qwen3-Maxは同社がこれまでに開発した中で最も強力なモデルだと説明。AIシステムが情報を処理する方法を決定する1兆個以上のパラメータ(AIモデルの学習可能な変数)を搭載し、コード生成や自律エージェント機能で特に優れていると述べた。
アリババは新モデルが特定の指標において、米Anthropicの「Claude」や中国DeepSeekの「DeepSeek V3.1」などの競合製品を上回ったと主張した。
アリババは、ブラジル、フランス、オランダに初のデータセンターを開設、今後1年間でメキシコ、日本、韓国、マレーシア、ドバイの施設を追加増設し、現在の29地域91事業を拡充する方針を明らかにした。
この発表を受け、香港上場のアリババ株は24日、10%近く上昇し4年ぶり高値を付けた。
アリババの米国上場株も寄り付き前の取引で10%近く上昇した。
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