10月4日に投開票された自民党総裁選で新総裁に選出された高市早苗衆院議員と、立憲民主党の辻元清美衆院議員が総裁室で握手する、“ツーショット写真”が6日頃からXで拡散されている。米GoogleのAIモデル「Gemini」で生成されたものとみられ、辻元氏は「新聞社からも問い合わせが来た」と明かした上で、「もちろんフェイク」と否定した。
発端は10月4日、高市氏が女性として初めて自民党総裁に選出されたことを受け、辻元氏(@tsujimotokiyomi)がXに投稿したポストだ。「ガラスの天井をひとつ破りましたね」「たとえ意見や考え方が違っても、すべての人の幸福のために力を尽くす、その思いでしっかり熟議しましょう」と祝意を述べた内容だった。
保守派とされる高市氏の政治的立場に批判的な層からは「祝意を送っている場合ではない」「ガラスの天井はむしろ強化されたのでは」といった声も寄せられたが、「思想信条は違っても器の大きさを感じる」といった支持の声も多く、ポストは6日午後時点で約1万4000件のリポスト、8万4000件のいいねを集めた。
その後6日、高市氏の支持者とみられるアカウントが「素直にありがとうございます」とのコメントとともに、2人が総裁室で握手する画像を投稿。1万件超のいいねを集めたが、投稿者が出典としたブログに掲載された元画像には、Geminiで生成された画像に自動で挿入される小さな透かし(ウォーターマーク)が確認できる。拡散された画像は、この透かしを消した生成画像である可能性が高いとみられる。この他、投稿には「実際の総裁室の本棚は4段だが、画像は5段になっている」と指摘するコミュニティーノートも付けられている。
真偽の確認に報道機関も動く事態となり、辻元氏は同日、「総裁席に座る高市さんと私(?)のツーショット合成写真が出回っているようで、新聞社からも問い合わせが来てしまいました!」とXに投稿。「もちろんフェイク。拡大すると全然似ていないのですが、、、もしAIがもっと進化したら?と思うとぞっとしました」と警戒感を示した。
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