さて、肝心の疲労回復効果や筋肉の疲れ軽減効果があったかというと……正直いって、全く分からなかった。あるいは薄手でも暖かいという点は遠赤外線効果なのかもしれないが、そんな気がする、という程度だ。
にわかに脚光を浴びているリカバリーウェアだが、そもそも繊維に何かを練り込む技術は以前からあり、研究もされてきた。例えば2018年の論文「プラチナ加工繊維が神経筋、全身および主観的回復に与える影響」では、衣料品メーカーのVENEXが開発したウェアを検証している。
筋力トレーニングを行った13人の男性に商品もしくは比較用のプラセボ製品を着用して休憩してもらい、回復状況を調べた結果、有意な差は出なかったという。ただし被験者の主観では効果的で、回復促進の可能性を示唆したため、論文は「さらなる研究が必要」と結論づけている。
他の論文もあたってみたが、多くは目を見張るような効果は確認できていない印象だった。もちろん、これらの多くはアスリート向けの製品で、練り込んだ物はメディヒールとは異なるため単純に比較はできない。ただ、こうしたアプローチが学術的にどのような位置にあるのか知る上では参考になりそうだ。
もう一つ、触れておきたいのが「一般医療機器」という言葉についてだ。多くのリカバリーウェアが一般医療機器をうたっていて、なんだか良い効果が得られる気がする。
しかし、PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)のWebサイトによると「一般医療機器(クラスI)」は「不具合が生じた場合でも人体へのリスクが極めて低いと考えられるもので、PMDAへの届け出を行うことで製造販売が可能」となっている。
「届け出のみ? 効果検証は……」と思ったら、自己認証と書いてある。つまり一般医療機器を名乗るのに第三者機関による検証や公的機関の審査などは必要なし。何らかの効果を保証するものでもない、ということだ。
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