楽曲制作・音源ソフト大手の独Native Instrumentsが予備的な破産手続きに入った可能性が海外メディアから報じられ、日本のDTM・音楽関係者に衝撃が走っている。事実関係は不明だが、多くの作曲関連サービス・ソフトやその開発企業を傘下に抱えることもあり、先行きが懸念されている。
きっかけは、ドイツの音楽メディアCDMによる1月27日(現地時間)の報道だ。同媒体は大規模な事業拡大や高額なM&Aが原因で手続きに至ったとしており、短期的には業務が継続され、事業再編が模索されるものの、将来的に同社の資産が何らかの形で売却されるとの見立てを示している。この記事がXで拡散し、日本でもユーザーの不安が広がっている。
なお、CDMは法的書類を根拠として状況を報じているが、28日午後4時(日本時間)時点で同書類にはアクセスできない状態だ。事実関係について、ITmedia NEWS編集部はNative Instrumentsの日本法人に問い合わせたが、同時刻の時点で回答を得られていない。本社・日本法人ともに、公式Xアカウントも沈黙している状態だ。
騒動の影響は国内の関連企業にも広がっている。Native Instruments製品を含む音楽ソフト・楽器などの代理販売を手掛けるメディア・インテグレーション(東京都渋谷区)は28日に声明を発表。事実関係はNative Instruments本社に問い合わせ中としつつ「事業再編や投資家募集など今後の方針を判断するフェーズに入った状況と予測される」「現時点で事業停止や破産を確定するものではない」として、当座は同社からのサポートを継続する方針を示した。
Native InstrumentsはDTMにおいてデファクトスタンダードとなっているソフトウェアサンプラー「Kontakt」や音源バンドル「KOMPLETE」、DJ機器などを提供している。2023年には、AI音声編集ソフトを手掛ける米iZotopeや楽曲制作ソフトのマーケットプレースを手掛ける米Plugin Allianceなどを買収し、傘下に収めた。
これらのソフトやプラットフォームを前提にしたプラグインなどを制作・提供し、収益を得る企業やクリエイターも少なくない。仮にNative Instrumentsのエコシステムに影響が及んだ場合、アマチュア・プロを問わず楽曲制作に問題が生じる可能性もあり、SNS上での不安につながっている。
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