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巨大で活発な黒点群「4366」が注目される理由 すでに複数のXクラス太陽フレア NICT「1週間程度は注意が必要」

» 2026年02月05日 00時01分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 太陽面で先週末から急速に発達した「4366」という黒点群が世界中の研究者や天文ファン、あるいはオーロラウォッチャーの関心を集めている。大きく複雑で、活動は活発。この活動領域で2月1日から3日までに5回もXクラスの太陽フレアが発生した。

国立天文台太陽観測科学プロジェクトによる4日のHα線全面像。中央やや上にある白く見える部分が4366と呼ばれる活動領域(出典:X)©国立天文台/JAXA/MSU

 中でも2日の午前9時40分に発生した太陽フレアは、X8.1とかなりの規模だった。しかし今のところ磁気嵐などの注意報は出ていない。理由は、地球方向へのコロナガスの噴出(CME)や高エネルギー粒子の増大といった現象を伴わなかったか、あっても小規模で地球の方向に向いていなかったため。NICTは「地球に与える影響は大きくない状況」としている。

 ちょうど逆のパターンだったのが、1月19日に発生した太陽フレアだった。爆発の規模(クラス)はX1.9と今回に比べても小さかったが、地球方向へ噴出された高速コロナガスにより、地球周辺で磁気嵐が発生。低緯度オーロラが観測された他、人工衛星の高度が下がるなどの影響も出た。

 4366は4日時点でちょうど地球の方向を向いており、活動はいまだ活発。NICTも「注視している状況」だ。このタイミングで太陽フレアが発生し、仮に大規模なCMEを伴った場合は地球への影響も無視できない。

2月4日午後の宇宙天気予報。太陽フレアは「非常に活発」だが、他の指標は問題のないレベル(出典:NICTの宇宙天気予報)

 NICTは「大規模なコロナガス噴出が地球方向に来た場合には、地磁気や電離圏の乱れが大きくなる可能性があり、短波を利用した通信・放送、GPS測位、航空機運航、宇宙システム運用などの分野で注意が必要になります。一方、地上にいる限り人体への被ばくの影響やスマホなどへの影響はありませんが、上記の社会インフラへの影響が一時的に発生する可能性があることを認識しておくことが必要と考えています」としている。「活発な状態は続いているため、太陽面の裏側に回り込むまでの1週間程度の間は注意が必要です」。

 4日の午後9時40分ごろ、6回目となるX4.3フレアが発生した。米NOAA(米国国立海洋大気庁)の速報によると「現時点(日本時間の4日午後10時10分ごろ)で画像内にCMEの痕跡は確認されていない」という。なお、地球の太陽照射側(昼間の地域)では数分から数時間に渡りHF帯の通信障害が発生する可能性がある。

米NOAAの速報。GOES衛星のX線画像内にCMEの痕跡は確認されていないという(出典:X)

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