「スマホ業界の巨大な闇」──そんな言葉がXを飛び交っている。最新のゲーミングスマートフォンに、ベンチマークの時だけ普段は発揮できないような性能を叩き出す、いわゆるBenchmark Boosting(ベンチマークブースト)モードが隠されていたとして、告発した動画が話題になっている。
きっかけは、YouTubeのチャンネル登録者37万人超の動画クリエイター、さいちょうさん(@Saityo_Zunda)が3月21日にアップした動画だった。中国ZTE傘下のnubia Technology製ゲーミングスマホ「REDMAGIC 11 Pro」検証中に、ベンチマークアプリを検出すると端末の処理能力に過剰なブーストがかかる“隠しモード”(ディアブロモード)を発見したという。
ベンチマークアプリ「3D Mark」の提供元である米UL Solutionsの協力を得て解析したところ、ベンチマーク中はCPUやSSDの温度が高止まりしたままで、最終的にシャットダウンしたという。ブーストが行き過ぎれば端末の故障原因にもなりかねない。ベンチマーク結果はメーカーにとって端末位の売れ行きを左右する重要な要素だが、さいちょうさんは数値が再現性のなくては意味はなく、消費者を騙す行為になると指摘している。
動画は2日間で53万回超も再生され、その内容がXなどで拡散すると、製品やメーカーはもとより、ベンチマークアプリやレビューの意義にまで疑問を投げかける投稿が相次いだ。さらに登録者数40万人を超えるガジェット系YouTuberのワタナベカズマサさんが、今後ベンチマークアプリによる性能測定スコアを公表しないと宣言するなど波紋が広がっている。
なお、さいちょうさんは22日、「当該デバイスや、それをレビューする他投稿者さまの動画などにまで過激な批判が行われているという報告が寄せられています」と注意喚起。度を超えた行為を慎むように呼びかけた。
一方、REDMAGICの日本総代理店を務めるFastlane Japan(東京都渋谷区)も22日に見解を発表した。同社は、スマホでゲームをプレイする際は「過度な発熱を抑えつつ快適なプレイを維持するための個別調整(=アプリへの最適化)が必要」と前置きした上で、問題のディアブロモードは「ハードウェアの安全設計の範囲内(で)バッテリー消費や発熱を厭わず性能を強制的に全開する」「短時間ながら限界を超えた120点の出力を体感いただける設計」と、あくまでも安全な範囲で動作すると説明している。
ただし同時に「アプリへの最適化は最新の状況に基づき動的に行われるプロセスであり、その過程で挙動に変動が生じたり、判断に誤りが発生したりする可能性も否定できません」として、不具合もしくは開発側の判断ミスという可能性も示唆している。
これに対してX上では「ディアブロモードがあるのは良いけど、それは任意でオンオフできるようにするのが筋じゃないの?」「ベンチの性能を実動作で出せないのであれば見せかけの数字で消費者を騙していることになるのではないでしょうか?」など厳しい指摘が上がっている。なお23日午前中の時点でメーカーから説明等は確認できない。
スマートフォンのベンチマークブーストが話題になるのは、これが初めてではない。2013年には韓国製や中国製の一部端末でベンチマークアプリ使用時だけCPUやGPUのクロックを引き上げる仕様があったとして、ベンチマークソフト「AnTuTu」を提供する香港Antutuが告発し、新たに“対策済みアプリ”をリリースするなど過去にも何度か話題になっていた。
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