イーロン・マスク氏率いる米航空宇宙企業SpaceXは5月20日(現地時間)、新規株式公開(IPO)の申請書類を米証券取引委員会(SEC)に提出した。6月中にNASDAQで、ティッカーシンボル「SPCX」で取引を開始する予定だ。なお、今回発行される株式数や公開価格、調達額については、現時点では未定となっている。
SpaceXは、マスク氏が2002年に設立した。これまでの主な実績として、民間企業初の液体燃料ロケットの軌道到達(2008年)や国際宇宙ステーション(ISS)へのドッキング(2012年)のほか、軌道クラスのロケットブースターの垂直着陸および再利用、大規模な低軌道衛星ブロードバンド網「Starlink」の展開などがあり、宇宙産業を牽引してきた。同社は「人類を多惑星種にし、宇宙の真の性質を理解する」という超長期的な戦略とミッションを掲げており、最終的には月面基地の構築や火星における都市建設を目指している。
目論見書の財務状況によると、2025年の連結売上高は186億7400万ドルに達した一方で、49億3700万ドルの純損失を計上している。現在の主力事業はStarlinkの衛星インターネットサービスで、2025年の売上高の半分超を占める。また、マスク氏が創設したAI企業xAIをSpaceXに統合しており、2025年の設備投資の約60%をAI部門に振り向けている。
AI関連では、同社が新たに注力しているAIインフラ事業に関する記述も含まれている。米Anthropicにコンピューティング能力を提供するクラウドサービス契約で、2029年5月まで月額12億5000万ドルを受け取る予定であることも明らかにした。
IPO後も、マスク氏はクラスB株式等を通じて全体の85.1%という圧倒的な議決権を保有し続ける見通しだ。これにより、同社は上場後もマスク氏が引き続き会社の意思決定で強力な支配権を握ることになる。
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