日本では官民でIaaSの活用が進んでいるが、大手クラウドサービスの影響力が増した分、障害発生時の影響の大きさも目立ってきた。IaaS障害に対処するには、障害が発生する場所と原因、影響範囲を知り、冗長性確保や責任の明確化などを行うのが重要だ。
IaaS障害は一種の災害のようなもので、ユーザー企業側では解消できない。しかしユーザー企業のサービスは自力で復旧させる必要がある。障害発生時や収束後にユーザー企業がやるべきことをクラウドベンダーに聞いた。
米Amazon Web Services(米AWS)が提供するクラウドサービス「AWS」の東京リージョンで、2月20日午前0時ごろに障害が発生した。発生から約5時間がたった午前5時ごろまでに大部分は復旧。AWSを利用するオンラインゲームなどに影響が出た他、気象庁の公式サイトも同時刻に一時接続できない状態になった。
サイバーエージェント傘下のCygamesが提供するスマートフォンゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」(ウマ娘)などで7月8日午後10時41分ごろから相次いでアクセス障害が発生したが、緊急メンテナンスを行い、9日午前5時ごろまでに復旧した。
米Microsoftが、Microsoft Azureを展開する全ての国のリージョンにおいて、2021年中にAvailability Zoneを提供すると発表した。同社の主要なクラウドサービスも2021年中にアベイラビリティゾーンに対応する。
日本IBMが「IBM Cloud」の大阪リージョンを開設。東京リージョンに続き、国内では2カ所目の拠点となる。今後は関西圏の企業や、東京・大阪の両方に拠点を持ちたい企業に、より低遅延のサービスを提供する。
Amazon Web Services日本法人が「AWS 大阪ローカルリージョン」の運用を始めた。日本国内では東京リージョンに続き2カ所目。
日本オラクルが、「Oracle Cloud」の大阪リージョンを開設。関西圏のユーザーを対象に、より可用性が高く低遅延のサービスを提供する。両リージョンを併用した冗長構成を可能にすることで、金融・インフラ業界への普及も目指す。
思わぬ大障害に発展し、復旧に時間を要したAWS東京リージョン。その回避方法はあったのか。これからの対応の指針とすべく、AWSの最上位パートナー認定を取得している企業に話を聞いた。