「VAIO Duo 11」を“徹底解剖”して語り尽くす:完全分解×開発秘話(後編)(1/7 ページ)
独自のスライド機構を採用した11.6型モバイルノートPC「VAIO Duo 11」には、ソニー初の挑戦が凝縮されていた。後編も開発者が自ら実機を分解し、その秘密を明らかにしていく。
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後編はいよいよPC本体をバラバラに
注意!
製品を分解/改造すると、メーカー保証は受けられなくなります。内部で使用されている部品などは取材した機材のものであり、すべての個体に該当するわけではありません。
ユニークなスライド型ボディを採用した「VAIO Duo 11」だが、その分解は他の多くのノートPCと同じように底面から始める。本体を裏返し、底面のネジ19本を外すと、底面を覆うカバーが丸ごと分離できる仕組みだ。ネジの一部はゴム足やシールで隠されているため、あらかじめこれらを剥がしておく。
前編ではここからスライド機構と液晶ディスプレイ、タッチパネル、そしてデジタイザスタイラスを中心にチェックしたが、後編ではPC本体をじっくり分解し、各部のこだわりに迫っていこう。
話を伺ったのは前編と同様、開発を統括したプログラムマネージャーの鈴木一也氏(VAIO&Mobile事業本部 PC事業部 設計1部1課 統括課長)、機構設計を行った浅見正氏(同事業本部 VAIO第1事業部 設計1部3課)、商品企画を担当した金森伽野氏(同事業本部 企画1部 Hardware企画1課)の3人だ。実機の分解は浅見氏にお願いした。
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VAIOノート注目機種の分解記事(“VAIO 丸裸”シリーズ)
バッテリーは取り外し不可だが、拡張バッテリーもしっかり用意
まずは本体の下半分ほどを占有するバッテリーから取りかかろう。内蔵のリチウムイオンバッテリーは4セルで、容量は約39ワットアワー/5300ミリアンペアアワーを確保する。バッテリー駆動時間の公称値は約7時間(直販モデルは構成によって異なる)だ。
内蔵のバッテリーパックをユーザーが交換することは想定されていない。VAIOノートでバッテリーを取り外せない構造にしたのは、VAIO Duo 11が初めてという。薄い板状のバッテリーパックは多数のネジでしっかり固定されており、これをすべて外すことで、本体から分離できる。バッテリーを取り出すと、その下からキーボードユニット現れる。
浅見氏は「キーボードのちょうど真下に配置したバッテリーを多数のネジでしっかり固定することで、キーボードの土台とし、安定してたわまずに打てるようにしている」とのコメントだ。
UltrabookやタブレットPCで省かれることが大半の拡張バッテリーが用意されている点は特筆したい。純正アクセサリのシートバッテリー「VGP-BPSC31」(1万5000円前後)を本体底面に装着すれば、バッテリー駆動時間を公称値で約14時間まで延長できる(直販モデルは構成によって異なる)。シートバッテリーも4セルのリチウムイオンバッテリーを内蔵しており、公称容量は約38ワットアワー/5200ミリアンペアアワーだ。
シートバッテリーは実測での重量が324グラムあり、装着時は総重量が1.6キロを若干上回って、実測での最厚部も34ミリまで膨らむが、駆動時間が約2倍に延ばせることに加えて、デジタイザスタイラスの収納スロットが設けられているほか、本体付属のACアダプタを直接つないで充電できるなど、使い勝手にも工夫が見られる。
「シートバッテリーはVAIO Xのものと同じ発想。キーボードを打ちやすいようにチルトさせつつ、放熱によい影響を与える空洞も設けた。デジタイザスタイラスの収納機構や直接ACアダプタをつないで充電できるなど、VAIO Duo 11用に進化させた部分もある。また、タブレットモードでの利用を考慮すると、状況に応じて頻繁に取り外して使うと思われるため、レバーで手軽に着脱できるようにした。全体のバランスを考えると、今回はこの形状ベストだ」と金森氏は説明する。
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