Vistaが地デジに対応 PCメーカー向け、夏から

» 2008年06月13日 18時39分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 マイクロソフトは6月13日、Windows Vistaで、地上デジタル放送(フルセグ)の視聴・録画に対応すると発表した。Vista搭載PCを開発しているメーカー向けに今夏から、地デジ視聴・録画機能を備えた「Windows Media Center TV Pack」を出荷する。

 Vistaの「Home Premium」「Ultimate」の機能「Windows Media Center」の拡張パックとして提供。地デジの視聴・録画機能やEPG、Vistaガジェットとの連動機能などを備えている。

 対応PCは夏以降、各メーカーから出る予定。エプソンダイレクト、オンキヨー、ソーテック、富士通、マウスコンピュータが対応を表明している。


画像 番組名を確認できる
画像 データ放送とも連携

 地デジ対応PCにはこれまで、PCメーカーが独自に開発したソフトを搭載する必要があった。開発には技術力とコストが必要で、ラインアップは大手メーカーの高級機が中心。普及は進んでいなかった。

 同日の発表会に出席した総務省の吉田博史地上放送課課長によると、地上デジタル放送に対応した端末の出荷数は合計3471万台で、世帯普及率は約4割。うちPCは109万台に過ぎず、テレビに比べ普及の遅れが目立つ。

画像 地デジチューナー搭載PCの平均単価は、非搭載PCより約5万円高い

 2011年のアナログ停波を前に、地デジ対応受信機を増やすことは緊急の課題との認識が行政やテレビ局にも広まってきており、デジタル放送推進協会(Dpa)は4月、従来容認していなかったPC向け地デジ後付けチューナー開発のためのガイドラインを発表した(PC用地デジチューナー単体販売 方針転換の背景は)。

 Vistaが地デジに対応することで「15万円以下のボリュームゾーンPCに地デジ対応機が出て、地デジ対応機の普及に貢献できるだろう」と、マイクロソフトの佐分利ユージン常務は期待を述べる。

Vistaはテレビを意識していた、が……

 「Windows Vistaは、テレビなどマルチメディアを強く意識して開発した」(佐分利常務)。にもかかわらず地デジ対応までに2年近くかかった理由は、日本独自の放送規格ISDB(Integrated Services Digital Broadcasting)への対応と、コンテンツホルダーの要求に見合った著作権保護機能を付けるのに手間取ったためという。

 「Vistaのテレビ対応はMicrosoftとしてもトップレベルのプロジェクトだが、コンテンツホルダーが被害を被らないような保護技術を開発するのに時間がかかった」(同社デジタルエンターテイメントパートナー統括本部の笠原建司さん)

 地デジ対応版はまず、PCメーカー向けに提供する。対応版の単体販売や、既存ユーザー向けのアップグレード版提供などは「検討していく課題」(笠原さん)としている。その理由も「コンテンツ保護の姿勢を放送局や権利者のみなさんに理解していただくため」(笠原さん)という。

「PCユーザーをテレビに戻したい」とテレビ局

 発表会には、NHK、日本テレビ放送網、テレビ朝日、東京放送(TBS)、フジテレビジョンの担当者も出席。サイドバーから番組の視聴・録画予約をしたり、番組で紹介した商品をECサイトで購入できる仕組みなどのデモを行った。


画像 テレビ放送を映す前には「コピー禁止 このコンテンツのコピーは禁じられています」という注意書が表示される
画像 テレ朝は、ガジェットで視聴予約をし、時間になったら自動で再生――というデモを実施
画像 野球中継を見ながら、選手のプロフィールやスコアを確認できるという日テレのデモ。プロジェクターに映像が映らなくなるエラーが頻発した。「著作権保護技術の性質上、ディスプレイとプロジェクターに同時に映像を映すことはかなり困難」(佐分利常務)

 テレビ朝日編成制作局の武居康仁デジタルコンテンツセンター長は「家に帰るとテレビではなくPCを最初に立ち上げる人も多い。そういう人がテレビに戻ってくる道筋になるのでは」と期待を述べた。

 アイ・オー・データ機器とバッファローは同日、OEM向けの対応チューナーを発表している。

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