「Skyrim VR」がSteam VR向けに4月3日リリース 対応機種はHTC VIVE/Oculus Rift/Windows MR

» 2018年03月29日 18時27分 公開
[PANORA]
PANORA/株式会社パノラプロ

 米Bethesda Softworksは「The Elder Scrolls V: Skyrim VR」をSteam VR向けにリリースすることを発表した。対応機種はHTC VIVE、Oculus Rift、Windows MRの3つ。リリース予定日は2018年4月3日で、日本からの購入価格は7980円(税込)となっている。

The Elder Scrolls V: Skyrim VR

 SkyrimはBethesda Softworksが開発する剣と魔法の本格ファンタジーのオープンワールドRPG「The Elder Scrolls」シリーズの5作目で、広大なフィールドや豊富なロケーション・様々に分岐する大量のイベントやNPCで構成された世界でプレイヤーが自由に行動・成長できることが大きく評価された。2011年にオリジナル版が発売されるやいなや、数多くのGOTY(Game Of The Year、その年一番のゲームに与えられる賞)を受賞した。そしてSkyrimのゲーム本編をまるごとPlayStation VR用に移植した「Skyrim VR」が海外で2017年11月(日本では同年12月)に発売された(関連記事:「ファンタジーの世界へ行ってみたい!」の夢をかなえる!? Skyrim VRゲームレビュー)。今作はSkyrim VRのSteam VR版(PC)という扱いになる。

 Skyrim VRはSteamのストアページから予約購入することができる。3月15日時点で既にSteamの売り上げ上位にランクインするほどの人気ぶりだ。なお、Skyrim VRを動作させるための詳細なPCの推奨スペックはまだ公開されていないので、Bethesdaからの続報を待ちたい。

 実はこのSteam VR版Skyrim VR、大いに注目すべき点として「Oculus Rift正式対応」「MOD対応の可能性」の2つがある。以下の文章には筆者による推測が入っているので、記者による個人の推測を好まない方は注意してほしい。

まさかのOculus Rift正式対応!要因はVRHMDのシェア率?

 Skyrimの開発元であるBethesda Softworksとその親会社のZenimax Mediaは、Oculus Riftの開発元であるOculus社(2014年にFacebookが買収)と訴訟問題を起こしている。理由は、Zenimax Mediaが2009年に買収したidSoftware(DOOMやQuakeなど初期FPSを開拓)のエンジニアであるジョン・カーマック氏(FPSの生みの親の一人として有名)が2014年にOculus社のCTOとして転職した際にZenimax Mediaが「OculusはZenimaxの研究内容を盗んだ」として訴訟を起こしたためだ。

 裁判は現在進行形で進んでおり、Bethesda今まで販売したVRタイトルはPSVRもしくはHTC VIVE、Windows MR向けのみで、Steam VRにはHTC VIVE専用でもOculus Riftでプレイできるようにする互換機能があるがDOOM VFRは発売日当日ではOculus Riftでプレイできないように鍵がかけられていた(後日Steam VR側のアップデートでOculusでもプレイ可能になった)など、Steam VRによる互換機能を除いてBethesdaが開発・販売するVRタイトルのOculus Riftへの正式対応は今後もないものとして多くのユーザーは認識していた。

 しかし、今回発表されたSteam VR版Skyrim VRはHTC VIVE/Oculus Rift/Windows MRの3機種対応となった。筆者はBethesdaがSkyrimをOculus Riftに正式対応させた理由として「Steamにおける各VRHMDのシェア率」に原因があると推測する。かつてOculus Riftは2016年の初期出荷時の発送トラブルやモーションコントローラの発売がロンチから9か月遅れになったことのほか、Steam VRの標準HMDはHTC VIVEであることなどが理由でSteamではHTC VIVEのシェア率が高かった。しかし、2017年のVRHMD値下げラッシュが続いてHTC VIVEが799ドルから599ドルに、Oculus Riftが599ドル(単品)から399ドル(コントローラつき)になったため、価格の安さによってOculus Riftがシェアを伸ばし、Steamの運営のValveが行った「Steam ハードウェア & ソフトウェア 調査: February 2018」ではついにOculus RiftがHTC Viveのシェアを追い越したことが確認された。

 Steam VRにはシステム側で各VRHMDへの互換機能があるものの、Steam VRでOculus Riftがシェアの半数を超える状況でSkyrim VRをHTC VIVE専用としてリリースするのは得策ではないとBethesda Softworksが判断したのではないかと筆者は推測する。また、これによってBethesda Softworksが過去にSteam VRでリリースした「Fallout 4 VR」「DOOM VFR」も後々アップデートによってOculus Riftに対応する可能性が出てきた。BethesdaからSkyrim VR以外でOculus Riftに関するアナウンスはまだ一切ないが、今後のアナウンスに期待したい。

既存のMOD対応の可能性も?

 Bethesda Softworksはユーザーがゲームを自由に改造する「MOD」というPCゲーム文化の一つを推奨しており、Skyrim SE※1やFallout 4(核戦争後のアメリカを舞台にしたオープンワールドRPG)では公式がMOD用ツールを配布したり、PS4やXboxOneなどゲーム機版でもユーザーが制作したMOD(制限あり)を導入できるようにしているほどだ。

 Fallout 4のVR版であるFallout 4 VR(Steam)は公式にはMODの対応はアナウンスされていないものの、通常のFallout 4向けに制作されたMODがFallout 4 VRでも動作することがユーザーの間で多数報告されており、Skyrim VRでも同様にSkyrim SE向けに作られたMODが動作する可能性がある。2018年時点においてVRゲームではMOD文化はあまり盛んではない(VRゲームを体験するための障壁が高い)ため、既存のゲーム向けに作られたMODがVR版にもそのまま適用できるとなると非常に強い。

 ちなみに、Fallout 4 VRは動作環境の要求水準が2018年時点においてかなり高い(GPUが最低GTX1070、推奨GTX1080)ので、最高品質でないVR動作環境(GTX900番台やGTX1060など)を有するユーザーでも購入を諦めた人は少なくない。しかし、Skyrim VRは既にPSVR版が発売されているのでVRのミドルレンジ級の環境でも動作することや、Skyrim VRのベースであるSkyrim SEの要求水準がゲームのミドルレンジ級であることから、Skyrim SEの動作環境の要求水準はFallout 4 VRほどは高くならないのではないかと筆者は推測しており、そういった点でもユーザーからの障壁は低いのではないだろうか。

※1…Skyrimの詳細な発売経緯_2011年にBethesda Soft WorksがPS3/Xbox 360/PC向けに「The Elder Scrolls V: Skyrim(Skyrim)」を発売。2016年にはPS4/Xbox One/PC向けにリマスターかつDLC完全収録版である「The Elder Scrolls V: Special Edition(Skyrim SE)」を発売。2017年にはSkyrim SEがベースとなっているNintendo Switch版Skyrimが海外で11月(日本は2018年2月)にリリース。また、Skyrim SEをベースにSkyrimのゲーム本編をまるごとVR向けに移植したPlayStation VR版「The Elder Scrolls V: Skyrim VR」が海外で11月(日本は12月)に発売された。そして、HTC Vive/Oculus Rift/Windows MR対応のSteam VR版Skyrim VRが2018年4月3日発売となる。

(TEXT by ぱソんこ)

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