Qualcomm、次世代Snapdragonチップセットファミリーを発表:クアッドコアモデルもラインアップ
Qualcommが、スマートフォンやタブレット型端末から高機能エンターテインメント機器まで、幅広いラインアップをカバーするSnapdragonチップセットファミリーを発表した。シングルコアのワンチップからデュアルコア、クアッドコアまでを提供する。
Qualcommが2月14日(現地時間)、スマートフォンやタブレット型端末をターゲットにしたSnapdragonチップセットの新たなラインアップを発表した。いずれも新たなCPUアーキテクチャ「Krait」(開発コードネーム)を採用しており、シングルコアのMSM8930、デュアルコアのMSM8960、そしてクアッドコアのAPQ8064という3種が用意される。
Kraitコアのプロセスは28ナノメートルで、コアあたりの最高クロック数は2.5GHz。現在のSnapdragonに採用しているScorpionコアは、ARMのライセンスを受けたCortex-A8コアやCortex-A9コアをベースに独自の拡張を施したものだが、ここから大きく性能を向上させているという。処理能力は、現在のARMのCPUコアと比較して約1.5倍高く、それでいて消費電力は65%低い。
MSM8930は、LTEモデムを統合したシングルチップソリューションで、LTE対応のマス市場向けスマートフォンがターゲットになるチップセット。MSM8960は3GとLTEのモデムを統合したデュアルコアソリューションで、高機能スマートフォンやタブレット型端末向けの製品となる。APQ8064は次世代のコンピューティング機器、エンターテインメント機器向けだ。APQ8064は、初期のSnapdragon比で12倍以上のパフォーマンスを持ちつつ、75%低い消費電力を実現した。新しいSnapdragonチップセットは、Wi-Fi(無線LAN)、Bluetooth、GPS、FMとNFCなどの機能を標準サポート。LTEモデムも内蔵する。
このほか、グラフィックスコアとしてMSM8930はAdreno 305、MSM8960はAdreno 225、APQ8064はAdreno 320を搭載。Adreno 305は初期のAdrenoコアの6倍以上、Adreno 225は8倍以上、Adreno 320は15倍以上の性能を誇る。特にAdreno 320はクアッドコア構成となっており、3Dでの写真や映像の撮影・再生や、HDMI経由で1080PフルHD解像度での映像出力にも対応するなど、ゲームコンソール並みのグラフィックス性能を持つという。
MSM8960のサンプル出荷は2011年の第2四半期、MSM8930とAPQ8064のサンプル出荷は2012年初頭の予定。
このほかデータ通信用チップとして、HSPA+(Release 9) MIMOとデュアルキャリアHSDPAに対応し、下り最大84Mbpsでの通信をサポートするMDM8225、LTE(FDD/TDD)やDC-HSPA+、CDMA2000 1X EV-DO Rev B、TD-SCDMAをサポートするMDM9615、DC-HSPA+をサポートするMDM8215なども合わせて発表した。MDM8225は2011年第4四半期、MDM9615とMDM8215は2011年末にサンプル出荷を予定している。
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