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» 2012年03月30日 21時57分 公開

今夏からの節電を促進する、国のアクションプランが固まる法制度・規制

総理直属の機関である国家戦略室の「エネルギー・環境会議」(2012年3月29日開催)において、今後の電力需給バランスを安定させるためのアクションプランが確定した。特に節電を促進する具体策が盛り込まれている点に注目しよう。

[石田雅也,ITmedia]

 国家戦略室が発表した「エネルギー規制・制度改革アクションプラン」には、28項目の施策がまとめられた。発電に関する規制緩和や蓄電に関する制度改革に加えて、節電を促進するためのアクションプランが実施時期とともに示されている。

 節電関連では、3つのテーマで重要な施策を進めていく。最も注目すべき第1の施策は、通信機能をもった電力計であるスマートメーターを普及させることだ。今後5年以内に電力利用者の設備の8割にスマートメーターを設置することが政府の目標として掲げられている。普及促進のための新しい制度を、2013年4月に予定されている省エネ法の改正時に加える。

 法整備と並行して、節電のメリットが出るような電気料金メニューの拡充を電力会社に促して、電力利用者側の節電対策を推進する。東京電力が「サマーアシストプラン」という名称で7月から9月までの節電促進プログラムを発表するなど、電力会社の対応が進み始めており、今夏の節電にも効果を発揮することが期待されている。スマートメーターの普及によって、さらに柔軟な料金メニューを設定できるようになる。

建築物の省エネ基準も改定

 節電の推進に向けた第2の施策として、建築物の省エネ基準を見直し、照明・空調などの省エネ機器や自家発電設備などを新たに評価対象に加える。住宅を除く建築物については2012年度中に、住宅も2012年度以降の早い時期に、新基準を適用する予定である。合わせて省エネ性能を認定するためのラベリング制度も導入する計画で、2013年度前半までに実施する。2020年度までに新築の建築物すべてに対して省エネ基準の適合を義務づけることも検討していく。

 第3の施策として、大量の電力を使用する工場などがピーク対策を実施した場合に、電力使用量の削減目標を緩和できるようにする。発電システムや蓄電システムを導入することで、電力会社から供給を受ける電力のピーク値を下げることができれば、たとえ使用量全体の削減幅が小さくても、電力会社の供給能力が不足する事態を抑えることにつながる。この緩和策も省エネ法の改正案に盛り込まれている。

 以上の施策は、今夏については限定的な効果にとどまるだろうが、省エネ法が改正される2013年度からは国全体の節電対策として大きな効力を発揮することが期待できそうだ。

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