節電対策に1億円を投資、神戸の食品卸会社がLED照明と電力見える化でスマートオフィス

関西における電力不足が心配される中、神戸市に本社を置くトーホーが1億円強をかけて、電力使用量の削減に本格的に取り組む。本社の照明をLEDに切り替えたほか、省電力装置や電力見える化システムも導入した。

» 2012年04月26日 11時42分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 コーヒーなどの業務用食品を取り扱うトーホーは2012年1月から3か月間かけて、神戸市にある本社の各施設で節電対策工事を実施した。食品配送センターにある冷凍・冷蔵機に新たに省電力制御装置を追加し、設定温度に達した時点で自動的に冷気を止めるようにした。これにより4月以降は、前年と比べて12〜16%程度の電力使用量を削減できる見込みだ。

 さらに本社のダウンライト合計315台をLED照明に切り替えることで、照明による電力使用量を55%削減する。省電力制御装置とLED照明の導入に加えて、老朽化した冷凍・冷蔵機も入れ替えた。合わせて1億800万円を投資したという。

 こうした設備面の改善にとどまらず、社員の節電意識を高める取り組みも4月から開始した。施設別やフロア別の電力使用量を“見える化”して、本社の6か所に設置した液晶ディスプレイにリアルタイムで表示する(図1)。当日の消費電力と目標値を施設別に表示するほか、より細かくフロア別に時間帯ごとの消費電力を前日と比較してグラフで見せるようにした(図2)。電力見える化のシステムはメーカーからの購入費を含めて600万円をかけて導入した。

ALT 図1 電力の使用状況を本社の6か所に設置した液晶ディスプレイに表示して社員の節電意識を高める狙い。出典:トーホー
ALT 図2 施設別の消費電力と目標値のほか、フロア別・電気機器系統別の使用電力を時間帯ごとに当日分と前日分で比較表示。出典:トーホー

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