発電システムを共用しながら、光熱費ゼロも実現可能な二世帯住宅エネルギー管理

太陽光発電システムなどを備え、自家発電が可能な住宅が増えつつある。旭化成ホームズは太陽光発電システムと家庭用燃料電池を共用しながら、光熱費ゼロも達成できる二世帯住宅を発売する。

» 2012年04月27日 18時04分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 旭化成ホームズが2012年4月28日に発売する「ヘーベルハウス &NiCO」は、光熱費ゼロも実現可能な二世帯住宅。間取りの工夫で、住宅単位で消費する電力量を削減し、二世帯で共用する太陽光発電システムと家庭用燃料電池(エネファーム)を利用することで、電力会社からの受電量を削減できる。同社の試算によると、電力会社から受電した分の料金を、太陽光発電システムで発電した電力の売電で穴埋めし、光熱費ゼロを達成できるという。

 もともと1世帯分の住宅2戸と比べると、二世帯住宅の電力消費量は少ない。例えば、両親が共働きである場合、子供が帰宅すると、両親と暮らしている部屋に戻らず、祖父、祖母が暮らす部屋で長い時間を過ごすということがよくある。このように、二世帯住宅は部屋などを共用することが多いので、住宅全体の消費電力量が減るのだ。

 旭化成ホームズは、2世帯間の行き来を容易にしたり、共用できる空間を増やすことで、住宅自体が消費する電力量を、4人世帯1戸分の1.5倍に抑えた。

 さらに、2世帯共用の太陽光パネルと家庭用燃料電池を用意することで、電力会社から購入する電力量を抑え、家庭用燃料電池が作るお湯も共用できるようにした(図1)。エネファームで発電しながら加熱したお湯は、1世帯目にはそのまま流し、2世帯目には水を足して、冷めた分をガス給湯器で温めて供給する。2世帯目で使用する給湯器には、排熱を再利用する潜熱回収形給湯器「エコジョーズ」を採用した。2世帯に電力とお湯を供給するシステムは大阪ガス、東京ガスと共同で開発したものだ。

Energy System 図1 エネファームが発電した電力は2世帯にそのまま届く。発電時に沸かしたお湯は1世帯目にはそのまま流れ、2世帯目には水を足してエコジョーズで加熱して供給する

 価格は住宅の設計によって変わるが、同社は2種類のプロトタイプを用意している。8.1kWの出力を得られる太陽光発電システムを搭載するプロトタイプは50,200,000円。7.6kWの出力を得られるシステムの場合は、48,420,000円(図2)。

Prototype 図2 出力が7.6kWの太陽光発電システムを搭載するプロトタイプの完成図

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