独自の監視システムを搭載、障害をすぐに検知できるメガソーラー自然エネルギー

NTTファシリティーズは千葉県佐倉市に建設していた大規模太陽光発電所の運転を始めた。独自の監視システムを搭載しており、障害が発生しても素早く感知できるという特長を持ったメガソーラーだ。

» 2012年10月17日 13時00分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 NTTファシリティーズは千葉県佐倉市江原新田に建設していた大規模太陽光発電所(メガソーラー)「F佐倉太陽光発電所」の運転を始めた(図1)。最大出力は約2MW(2025kW)。年間発電量はおよそ2200MWh(220万kWh)を想定している。

図1 稼働を始めたF佐倉太陽光発電所

 このメガソーラーの最大の特長は、NTTファシリティーズが独自開発した監視システムを搭載している点にある。この監視システムは太陽光発電パネルを直列で接続した「ストリング」単位で発電量を検知できる。F佐倉太陽光発電所では、1ストリングに太陽光パネルを15枚接続しているという。

 ストリング単位で発電量を検知することを可能にしたことにより、ストリングをまとめる接続箱、複数の接続箱からの配線をまとめるパワーコンディショナーなどさまざまな単位で発電量を監視でき、発電量が極端に下がるなど異常が発生しても、すぐに検知でき、異常が発生している場所を特定しやすい。

 NTTファシリティーズはF佐倉太陽光発電所を建設した目的として、発電事業のほか、太陽光発電所建築のためのノウハウを集め、蓄積することを挙げている。今回導入した監視システムも、運用を続けながら修正を加え、顧客に提供する商品としていくと考えられる。

 パワーコンディショナーの比較評価も実施する予定だ。出力が500kWの大型パワーコンディショナーを3機種導入しており、それぞれの変換効率などの特性を比較評価するとしている。

 太陽光発電パネルの設置方法も工夫した。F佐倉太陽光発電所周辺は遺跡が多く、何らかの文化財が埋まっている可能性がある。そのため、太陽光発電パネルの固定には、地中に支柱を埋め込む方式ではなく、地面に置いた石を利用して固定する置き式の基礎を採用した。さらに、雑草の繁殖を抑えるために繁殖力が強く、密生する傾向が強いクローバーなどの植物を植えた。

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