細い道も進入できる、宅配用に小型電気自動車を投入電気自動車

佐川急便は集荷・配達用車両として、光岡自動車の小型電気自動車「雷駆(ライク)-T3」を試験的に導入した。細い道が多く、台車で集荷・配達せざるを得なかった地域に配置することで、業務効率の改善を狙う。

» 2012年10月31日 09時00分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 佐川急便が今回導入した「雷駆-T3」は、光岡自動車が配送用途を想定して開発し、10月から発売している小型の電気自動車(EV)(図1)。本来は運転席にも荷台にも、風よけや天井など、車体を覆うものは何も付いていない。

図1 光岡自動車の雷駆-T3。前輪が1つだけの3輪自動車だ

 佐川急便の関連会社で、車両整備や新車販売、ボディ販売事業を手掛けるSGモータースが、雷駆-T3を集荷・配達に使うためのボディを開発した(図2)。雨が降っても運転手と荷物を濡らさずに済む。

図2 佐川急便仕様の雷駆-T3。風よけや屋根が付き、雨天でも荷物を濡らさずに済む

 佐川急便は今回、雷駆-T3を2台導入し、京都市中京区の四条高倉サービスセンターに配置した。この周辺は商店、オフィス、住宅が多数立ち並んでいる上に、細い道が多い。従来の配送車では進入できないので、サービスセンターから台車を出して、集荷、配達をしているという。佐川急便では、細い道に進入できる雷駆-T3を導入することで、業務効率がどれくらい上がるのか1年間にわたって検証する。

 女性従業員に向いているという点も導入理由の1つだ。佐川急便では近年、集荷、配達を担当する女性従業員を積極的に採用しているが、トラックの運転に抵抗を覚える従業員もいるという。小型のEVならば、取り回しが簡単で運転しやすい。佐川急便は大きな配送車の運転を苦手に感じる人でも、気軽に運転できると期待している。

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