1人乗りの電気自動車を200台、セブンイレブンが新宅配サービスに採用電気自動車

ユニークな1人乗りタイプの電気自動車をトヨタ車体が発売した。6時間の充電で50キロメートルまで走行でき、1キロメートルあたりの燃費は2.4円という安さだ。セブンイレブンが8月から開始する宅配サービス用に200台の導入を決めた。

» 2012年07月03日 14時56分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]
ALT 図1 セブンイレブンが宅配用に導入する1人乗り電気自動車

 セブンイレブンが8月上旬から開始する宅配サービス「セブンらくらくお届け便」では、従来のように商品を限定せずに、店舗で取り扱うほぼ全商品を配達する。そのためにトヨタ車体が7月2日に発売した1人乗り電気自動車「コムス」を約200台導入することを決めた(図1)。車体後部のトランクに保冷ボックスを積んで、冷凍食品なども配達できるようにする。

 特に高齢者を対象に、セブンイレブンの店内にある2700〜2800種類の商品の中から電話で注文を受けるほか、店舗で購入した商品の宅配も引き受ける。宅配料は無料にする。9月までに約200店舗でサービスを開始し、利用状況などを検証したうえで、2013年1月から実施店舗を拡大していく計画である。セブンイレブンの店舗数は6月末現在で40都道府県に1万4231店ある。

 セブンイレブンが採用したコムスの最大の特徴は、家庭用の100Vの電源に接続して充電できることで、約6時間で充電が完了する。満充電の状態で50キロメートル(JC08モード相当)の走行が可能になる。家庭向けの電気料金は1時間あたり20円程度であることから、満充電に必要な6時間で120円かかり、1キロメートルあたりの燃費は2.4円になる計算だ。最高速度は時速60キロメートルまで出るという。

 しかも道路交通法の規定では「第一種原動機付自転車4輪」に相当するため、車検や車庫証明が不要で、重量税や取得税もかからないメリットがある。近距離用の配達車両として導入する企業や店舗は数多く増えそうだ。

 コムスはパーソナル用とビジネス用の合計4車種があり、価格は66万8000円(ビジネス用のB・COMベーシック)から79万8000円(パーソナル用のP・COM)である。エコカー補助金を最大7万円まで適用することが可能だ。セブンイレブンが採用したのはビジネス用の「B・COMデリバリー」(図2)で、価格は77万3000円だが、セブンイレブンはトヨタグループからリースで購入する。

ALT 図2 トヨタ車体が発売した1人乗り電気自動車「コムス」のデリバリー仕様車

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