マンションにスマートメーターを導入、高圧一括受電で電気料金を削減エネルギー管理

大手デベロッパーの長谷工グル―プが新築・既築のマンションに次世代電力計のスマートメーターを導入して電気料金を削減するサービスを開始する。年間に5万〜6万戸の住戸に米GE製のスマートメーターを設置する計画で、当初は首都圏・近畿・中部を中心に展開する。

» 2013年01月30日 07時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]
図1 GEのスマートメーター「GEI-210+n」。出典:米GE

 マンションを対象にスマートメーターを本格的に導入する計画を発表したのは、長谷工グループが初めてである。

 マンション向けの電力供給サービスを提供する長谷工アネシスが、米GE(ゼネラル・エレクトリック)と連携して顧客拡大に乗り出した。欧米を中心に1400万台以上の設置実績があるGEのスマートメーター(図1)を採用する。

 長谷工アネシスはマンション向けに「高圧一括受電」と呼ぶ電気料金を低減するサービスを提供しており、今後はスマートメーターと組み合わせることで、家庭内の電力使用量を抑えて電気料金の削減幅を拡大できるようにする。

 従来はマンションの居住者が個別に電力会社と契約していると、通常の家庭向けの「低圧」の電気料金が適用されていた。新たに長谷工アネシスが電力会社と「高圧」の契約を結んで各家庭に分配することにより、単価の安い電力を供給することが可能になる(図2)。

図2 長谷工グループが提供するマンション向け電力供給サービスのイメージ。出典:長谷工アネシス

 このところ電気料金の値上げを受けて、長谷工アネシスのほかにもオリックス電力などがマンション向けに高圧一括受電サービスを提供して顧客を増やしている。ただし電力計にスマートメーターを採用して、30分ごとの電力使用量をもとに「見える化」の機能まで提供するサービスはなかった。夏季の時間帯別料金にも対応できるようにする。

 サービスの開始時期は未定だが、当面は長谷工コーポレーションが建設・管理する首都圏・近畿・中部のマンションを中心に提供する。年間に5万〜6万戸の住戸にスマートメーターを設置して、マンション向けの電力供給サービスでナンバーワンのシェアを確保する考えだ。

 政府は2012年度の補正予算の中で、MEMS(マンション向けエネルギー管理システム)の補助金を創設するために130億円を割り当てることを決めた。2013年度から補助金制度を開始する予定で、MEMSアグリゲータと呼ぶサービス提供会社が対象になる。長谷工アネシスもMEMSアグリゲータの有力候補とみられる。

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