世界最大750MWの太陽光発電所、米国カリフォルニア州に建設へ自然エネルギー

米国で再生可能エネルギーによる巨大な発電所の建設計画が相次いで始まろうとしている。このほど内務省が認可した3件のプロジェクトのうち最大の規模は750MWの太陽光発電所である。現時点で世界最大のアリゾナ州にある太陽光発電所の3倍の規模になる見込みだ。

» 2013年03月22日 09時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 オバマ大統領が就任した2009年以降、米国では再生可能エネルギーによる大規模な発電所が続々と動き出している。内務省によると、過去4年間で37件のプロジェクトが認可を受け、すべてが稼働すると1万1500MW(メガワット)を超える規模になる。通常の発電所と比較するためにキロワットに換算すると1150万kW以上になり、火力や原子力による大規模な発電所で10基分に匹敵する。

図1 McCoy Solar Energy Projectの所在地。出典:NextEra Energy Resources

 この中には2013年3月13日に内務省が認可した3つのプロジェクトが含まれている。最も規模が大きいのは「McCoy Solar Energy Project」で、カリフォルニア州の砂漠地帯に750MWの太陽光発電所を建設する計画だ(図1)。残る2つは同じカリフォルニア州に建設する150MWの太陽光発電所と、隣のネバダ州に建設を予定している200MWの風力発電所である。

 現時点で世界最大の太陽光発電所は米国アリゾナ州で稼働中の「Agua Caliente Solar Project」で250MWに達している。McCoy Solarは3倍の規模になる見通しだ。建設と運営を担当するのは、太陽光発電と風力発電で最大手のNextEra Energy Resources社。建設予定地はカリフォルニア州の内陸部にある広大な砂漠地帯の一角である(図2)。敷地の面積は4394エーカー(約1778万平方メートル)で、東京ドーム380個分に相当する。

図2 McCoy Solarの建設予定地。出典:NextEra Energy Resources

 米国ではIT企業を中心にクリーンエネルギーを採用する動きが広がっており、太陽光・風力・地熱を利用した大規模な発電所の建設計画が相次いでいる。過去4年間に内務省が認可した37件のプロジェクトの内訳は、太陽光が20件、風力が8件、地熱が9件である。

 さらに承認待ちのプロジェクトが23件あって(太陽光14件、風力6件、地熱3件)、2014年までに認可を受ける見込みだ。日本と比べると地熱発電の開発プロジェクトが数多くある。日本国内で原子力発電所の再稼働を検討している間に、米国では再生可能エネルギーと天然ガスの比率がどんどん高くなっていく。

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