都心で初めてのスマートシティ計画、ガスコージェネで3割の省エネに電力供給サービス

東京・日本橋の1万3000平方メートルの敷地に、電力と熱の供給システムを備えたスマートシティが2019年に誕生する。三井不動産と東京ガスが共同で推進する都市開発プロジェクトで、ガスコージェネを中核に自立分散型のエネルギー供給システムを構築する計画だ。

» 2013年04月10日 11時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 スマートシティを建設する場所は日本橋界隈の中心になる「日本橋室町三丁目」で、三井不動産が所有・管理するオフィスビルや商業施設が数多く集まる地域である(図1)。その中の一部を再開発して、自立分散型のエネルギー供給システムを備えたスマートシティを建設する。

図1 「日本橋室町三丁目地区市街地再開発計画」の実施地域。出典:三井不動産

 2年後の2015年に既存のビルを解体して、2019年に新しいビル群を完成させる計画だ。大型のガスコージェネレーションシステムを導入して、地域内の電力と熱を供給できるようにする。電力の供給量は約5万kWを想定している。さらに発電時の廃熱を利用して、空調などに使える温水・冷水・蒸気を地域外にも供給する計画だ(図2)。周辺地域を含めて約3割の省エネ効果を見込む。

図2 ガスコジェネレーションを中核にしたエネルギー供給。出典:三井不動産

 合わせて災害時の電力供給体制も構築する。電力会社からの系統電力が停止した場合でも、「非発認定中圧ガスライン」と呼ぶ非常用の発電機にガスを送り込むネットワークに接続して、ガスコージェネから電力を供給し続ける仕組みだ(図3)。このガスラインは東日本大震災の時にもガスの供給を継続できた実績があり、企業にとって重要なBCP(事業継続計画)の有効な対策になる。

図3 非常時の電力供給。出典:三井不動産

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