浜名湖のほとりにあった最終処分場を再利用、2.9MWのメガソーラーへ自然エネルギー

浜松市が浜名湖そばに所有していた一般廃棄物の最終処分場をメガソーラーとして再利用した。土地を民間企業2社に20年間賃借、2社が提案公募を提出し、発電事業に乗り出した。

» 2013年07月08日 11時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]
図1 浜松・浜名湖太陽光発電所の位置

 浜名湖のほとりにある一般廃棄物の最終処分場がメガソーラーに生まれ変わった。使い道のない6万m2以上の広大な土地をうまく再利用した形だ。

 2013年7月に運転を開始したのは「浜松・浜名湖太陽光発電所」(浜松市西区)。市が所有する静ヶ谷最終処分場を2つの用地に分割し、2つの企業にそれぞれ20年間貸し出す形で立ち上がったメガソーラーだ(図2)。「市の地代収入は年間約2300万円だ」(浜松市)。固定価格買取制度(FIT)による売電収入は企業が得る。

 面積3万8570.04m2の用地Aは、シーテックが事業者となり、出力1.9MWの浜松・浜名湖太陽光発電所(西発電所)を建設した。想定年間発電量は約279万kWhである。三菱電機の太陽電池モジュールを8680枚(2265kW)敷き詰め、東芝三菱電機産業のパワーコンディショナーを採用した。「今回のメガソーラーは提案公募の形を採った。シーテックからは、地域活性化事業として、災害時の非常用電源の無償提供や、環境教育、観光促進の他、想定年間発電量を上回った場合に、利益の一部を市に寄付するという提案を受けた」(浜松市)。

 面積2万2102.1m2の用地Bは須山建設が事業者である。出力1MWの浜松・浜名湖太陽光発電所(東発電所)の想定年間発電量は279万kWh、中国Suntech Powerの太陽電池モジュールを4128枚(1197kW)用い、日立製作所のパワーコンディショナーと接続した。西発電所の提案公募でも災害時の非常用電源の無償提供などは含まれているが、売電収入の扱いが東発電所とは多少異なる。想定年間発電量ではなく、売電収入の一部をメガソーラー基金として積み立てる。

図2 浜松・浜名湖太陽光発電所の外観イメージ。出典:浜松市

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