猛暑の7月前半も電力需要は予測より低く、中部だけ前年実績を上回るエネルギー管理

全国で最高気温が軒並み35度を超えた7月前半だったが、それでも電力需要は予測値を大幅に下回るレベルで、中部以外は前年の実績よりも低く推移している。7月後半から8月にかけて再び猛暑が予想されるものの、電力需要が前年を上回る地域は多くなさそうだ。

» 2013年07月17日 15時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 7月8日(月)から12日(金)にかけて、全国各地で電力需要が増大した。最高気温が35度を超えて「猛暑日」になる地域が相次ぎ、冷房の需要が一気に増えたためである。早くも電力不足を心配する声が一部で上がっているものの、状況を冷静に見れば安定した需給状況にあることがわかる。

 各地の最大電力は中部を除いて、今のところ前年7月の実績よりも低い水準にある(図1)。東京電力の管内では7月11日(木)に群馬県や山梨県で最高気温が39度を超える異常な暑さに見舞われながらも、最大電力は5024万kWにとどまった。政府の委員会が予測した7月の最大電力を400万kW以上も下回っている。

図1 7月1日(月)〜15日(月)の全国各地の最大電力

 中部電力の管内では静岡・岐阜・三重の3県で最高気温が38度を突破した7月12日(金)に、最大電力が2511万kWに達して、前年7月の2478万kWを超えた。それでも政府の委員会の予測値2585万kWまでは余裕があり、想定の範囲に収まっている。

 このほかの地域で7月前半の最大電力が前年実績に近づいたのは関西と九州だが、どちらも政府の委員会の予測値と比べると大幅に下回る状況だ。各電力会社は予測どおりの需要に達した場合でも十分な供給力を準備している。企業と家庭で通常の節電対策を継続すれば、今後の猛暑に対しても電力不足の心配はない。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.