新潟県の上越沖と石川県の能登半島西方沖で進められていたメタンハイドレートの資源量を把握する調査の結果、大規模な内部構造が225カ所も確認できたことが明らかになった。調査を実施した資源エネルギー庁が発表したもので、海底の地表に白く露出しているメタンハイドレートも見つかった。
2013年3月に太平洋の三重県沖でメタンハイドレートの抽出に成功して以来、にわかに国産の新エネルギーとして注目が高まっていたが、実現に向けてまた一歩前進した。資源エネルギー庁が日本海の上越沖と能登半島西方沖で進めていた調査の結果を11月29日に発表して、225カ所にのぼる大規模な内部構造を確認できたことを明らかにした。
9月下旬から10月上旬に上越沖で実施した無人機を使った探査では、海底の地表にメタンハイドレートが露出していることも発見した(図1)。海底の浸食によって内部から露出している状態を初めて確認できたもので、「燃える氷」と呼ばれるように白くて固形燃料に似た物質が見える。
日本海側で想定されるメタンハイドレートは、海底から100メートル以内に存在する「表層型」と考えられている。6月から7月にかけて音波を使って実施した地質調査では、表層型のメタンハイドレートが存在している可能性が大きい「ガスチムニー」と呼ぶ内部構造が上越沖と能登半島西方沖で225カ所も確認できた(図2)。その大半は直径が200〜500メートルあり、最大では直径900メートルほどの大規模な構造も見つかっている。
資源エネルギー庁は引き続き、表層型のメタンハイドレートが分布している可能性が高い日本海側の複数の海域を対象に、同様の資源量を把握する調査を実施する計画である(図3)。いずれの海域も事前の調査によって「BSR(海底疑似反射面)」と呼ぶメタンハイドレートの潜在可能性を示す結果が出ていて、今回と同様に大規模なガスチムニーを確認できる可能性が大きい。
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