富士山麓の下水処理場に、屋根を活用して2つのメガソーラースマートシティ

全国の自治体が下水処理場の敷地や屋根を使ってメガソーラーの建設に乗り出している。日照時間の長い静岡県の富士市でも、市内の東西2カ所にある下水処理場の屋根にメガソーラーを設置する。合計すると3MW(メガワット)の発電能力になり、800世帯分の電力を供給できる。

» 2014年01月22日 09時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 人口26万人の富士市には、「東部浄化センター」と「西部浄化センター」の2つの大きな下水処理場がある。この2カ所の浄化センターの中核施設の屋根に、太陽光パネルを設置してメガソーラーを建設する(図1、図2)。

図1 「富士市東部浄化センター太陽光発電所」の建設予定地から望む富士山。出典:国際ランド&ディベロップメント

 東部浄化センターに1.3MW(メガワット)、西部浄化センターに1.7MWで、合わせて3MWの発電設備になる。設置面積は合計で1万8000平方メートルになり、約9000枚の太陽光パネルを使う予定だ。年間の発電量は287万kWhを見込んでいて、一般家庭で800世帯分に相当する。運転開始は西部が先で2014年10月、東部は2015年6月を想定している。

図2 「富士市西部浄化センター太陽光発電所」の完成イメージ。出典:国際ランド&ディベロップメント

 いずれの浄化センターも富士山から南に20キロメートルほどの太平洋沿岸部にあり、日照時間が長くて太陽光発電に適している。一般に下水処理場は平坦な土地で周囲に高い建物がないことから、メガソーラーの建設場所として選択しやすい。このところ全国の多くの自治体が下水処理場でメガソーラーの建設を進めている。

 富士市は発電事業者のソーラーパワーネットワーク(SPN)と国際ランド&ディベロップメント(国際L&D)の2社に屋根を貸し出して賃料を得るスキームである。SPNは本社があるカナダを中心にルーフトップ型のメガソーラーで数多くの開発実績があり、日本国内でメガソーラーの建設・運営を推進する国際L&Dと共同で発電事業を拡大していく。

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