日本最大565万kWの火力発電所、東京電力が設備増強を完了電力供給サービス

火力発電による供給力の増強を推進する東京電力が、茨城県の鹿島火力発電所で相次いで最新設備の試運転を開始した。既存の発電設備と合わせて供給力は565万kWになり、千葉県の富津火力発電所を抜いて日本で最大の規模になる。電力の需要が増加する7月までに営業運転を開始する。

» 2014年02月12日 15時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 鹿島火力発電所は石油を燃料に使う旧来の設備に加えて、最先端のガス火力発電設備3基の試運転に入った。「7号系列」と呼ばれていて、1基で41万6000kWの発電能力がある。いずれも2012年に稼働したガス火力発電設備をコンバインドサイクル方式に変更して発電効率を1.5倍以上に高めた(図1)。

図1 「鹿島火力発電所」の全景と設備増強計画。出典:東京電力

 試運転中の3基は2014年5月から7月にかけて営業運転へ移行する予定だ。3基の発電能力を合計すると124万8000kWになり、既存の石油火力と合わせて564万8000kWの供給力を発揮する。国内の火力発電設備では同じ東京電力の富津火力発電所の504万kWを抜いて最大の規模になる。

 東京電力は刈羽柏崎原子力発電所の再稼働を推進する一方で、LNG(液化天然ガス)や石炭を燃料に使った高効率の火力発電設備の建設を急ピッチで進めている(図2)。2014年は鹿島火力発電所と千葉火力発電所の設備増強によって供給力が100万kW近く増える。原子力発電所が再稼働しなくても、供給力に不安はない。

図2 東京電力の電源開発計画(カッコ内は発電能力で単位は万kW、その下は営業運転開始時期)。出典:東京電力

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