年間の光熱費が72万円も安く、地熱も利用するゼロエネハウススマートハウス

使うエネルギーよりも作るエネルギーが多くなる「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の商品化が活発になってきた。パナホームは通常よりも2倍以上の発電能力がある太陽光発電システムや地熱を活用できる換気システムを組み合わせて、年間の光熱費が72万円も安くなる住宅を販売する。

» 2014年04月24日 07時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 パナホームが4月23日に発売した「BlueEnergy(ブルーエナジー)」は、新築住宅を「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」の仕様でパッケージ化した。標準で4.5kW(キロワット)以上の太陽光発電システムに加えて、年間を通じて温度が一定の床下から空気を取り入れる地熱を活用した換気システムを装備する。

 太陽光発電システムを10kW以上の大容量にすることも可能で、その場合には年間の売電収入が電気代を37万円も上回る(図1)。標準仕様の4.5kWの太陽光発電システムでも光熱費は約6万円のマイナスになる試算だ(ガスを使わないオール電化が前提)。

図1 大容量の太陽光発電システムを搭載した「BlueEnergyエコ・コルディス」(左)と年間の光熱費(右)。出典:パナホーム

 エネルギーの消費量を削減するために、天井や壁だけではなく床下の基礎にも断熱材を組み込む。さらに床下のベース空間から地熱を取り入れる換気システムを備える(図2)。床下の空気は地熱の効果で、年間を通して安定した温度に保たれている。夏に冷たい空気、冬に暖かい空気を室内に取り込んで、冷暖房の効率を高めることができる。

図2 地熱を活用した換気システム。出典:パナホーム

 BlueEnergyの価格は太陽光発電システムが大容量のモデルプラン(2階建て、延床面積127平方メートル)で2901万円(税込み)からである。当然ながら通常の住宅よりも割高になる。光熱費を加えた長期の収支がどうなるか。災害対策と環境貢献のメリットも評価したうえで購入を判断することになる。

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