福岡県の北九州市にある臨海地域で発電能力20.5MWの大規模なメガソーラーが運転を開始した。国内第4位のガス会社である西部ガスグループがガラスメーカー最大手の旭硝子と共同で建設・運営する。太陽光パネルと架台に軽量ガラスやガラス繊維を採用して耐久性を高めた点が特徴だ。
西部ガスグループと旭硝子が共同で設立した「エネ・シードひびき」が、北九州市に20.5MW(メガワット)の発電能力がある「エネ・シードひびき太陽光発電所」を10月14日に稼働させた。発電所の場所は「響灘(ひびきなだ)臨海工業団地」の一角にあって、隣接地には西部ガスが天然ガス発電所やLNG(液化天然ガス)基地を建設する予定だ(図1)。北九州地域の新しいエネルギー供給拠点になる。
エネ・シードひびき太陽光発電所は西部ガスグループが運営する6カ所目のメガソーラーで、これまでの5カ所の発電能力が1〜2MWクラスだったのと比べて圧倒的な規模である。年間の発電量は2100万kWhを見込み、一般家庭で5800世帯分の電力使用量に相当する。
太陽光パネルは合計8万1000枚を設置した。三菱電機製で、パネルの両面に旭硝子の軽量ガラスを採用して耐湿性を高めた。通常の太陽光パネルは片面だけガラスを使うが、発電所の場所が臨海地域にあることから、耐湿性の高いパネルで長期間にわたって劣化を防ぐ狙いだ。
さらに太陽光パネルを設置する架台の素材にもFRP(ガラス繊維強化プラスチック)を採用してサビの発生を防ぐ(図2)。この架台は旭硝子がNTTファシリティーズと共同で開発した。臨海地域の塩害対策のほか、高温多湿地域や豪雪地域に設置する太陽光発電システムの耐久性を高めることができる。
九州最大のガス会社が20MWを超える太陽光の計画、4カ所目の運用開始
電力会社に対抗する火力発電所、ガス会社がLNG基地の隣に建設へ
固定価格買取制度の導入量1位は福岡県、トップ10に関東5県がランクイン
九州の新しい発電拠点へ、2020年までに再生可能エネルギーを3倍以上
太陽光発電の3つの課題−用地、連系、安定稼働−Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
人気記事トップ10