ここに余剰電力が加わるとどうなるか。日射量予測だけでは不十分だ。各家庭がどの程度電力を消費しているかが分からなければ、調達量の予測ができない。余剰電力は、「発電量−消費量」であり、晴天下で発電していたとしても戸別では0になることがある。余剰電力の買取の際、エナリスHEMSの導入を条件とした理由がこれだ。
エナリスHEMSを導入すると、戸別に太陽光発電の出力と家庭内の電力消費量を把握できるだけでなく、予測もできるようになる。図2にあるように太陽光発電システムの出力と、家電の消費電力量を統合して、エナリスのサーバに集積する*4)。
*4) 図2に示したエナジーゲートウェイに送られてくる電力情報は2種類ある。1つは分電盤に取り付けた主幹センサーからのもの。もう1つはエナジーオーブからの情報だ。エナジーオーブは、家電と赤外線通信で情報をやりとりし、エナジーゲートウェイとはWi-Fiで通信する。このため、エナリスHEMSを導入すると、赤外線通信対応の家電をスマートホンなどを利用して対話的に遠隔制御できるようになる。エナリスHEMS自体は、ECONET Lite対応の家電とも通信できる他、ガス・水道の使用量を見える化できる。
各戸からデータを受け取ったエナリスサーバは図3のように太陽光発電システム全体の出力と、全戸の電力消費量を差し引いて、余剰買取電力(緑色)を算出する。
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