太陽光発電の買取価格を1円高く、ミサワホームが住宅向けに新サービススマートハウス

ミサワホームが電力小売の全面自由化をにらんで、住宅の電力コストを削減するサービスを相次いで打ち出している。新たに出力10kW以上の太陽光発電システムを設置した住宅を対象に、固定価格買取制度よりも1円高い単価で電力を買い取るサービスを開始した。

» 2014年05月23日 11時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 固定価格買取制度では太陽光発電の対象を出力10kW未満と10kW以上の2種類に分けて、買取価格を設定している。10kW以上の買取価格は2014年度から1kWhあたり32円(税抜き)になったが、ミサワホームの新サービスでは1円を上乗せして33円で買い取る。ミサワホームの試算では、買取期間の20年間で約633万円の売電収入が20万円ほど増える見込みだ(名古屋市の場合)。年間に約1万円の収入増加になる。

 この新しい買取スキームは、電力代理購入サービスを手がけるエナリスと共同で実施する。エナリスがミサワホームの住宅オーナーからプレミアムを乗せた価格で電力を買い取ったうえで、ミサワホームに供給する。その電力をミサワホームはグループ会社に販売する予定だ(図1)。

図1 ミサワホームの電力買取スキーム。出典:ミサワホーム

 電力を買い取る対象はミサワホームの戸建住宅か賃貸住宅を建設して、10kW以上の太陽光発電システムを搭載した場合に限定する(図2)。ただし新築だけではなくて既築の住宅に設置するケースも対象に含む。エリアは北陸電力と沖縄電力の管内を除く全国をカバーする。

図2 10kW以上の太陽光発電システムを搭載した住宅のイメージ。出典:ミサワホーム

 固定価格買取制度では事業者が買い取った電力量をもとに、電気料金に上乗せして国が徴収する仕組みになっている。エナリスは買取量に応じた金額を国から受け取ることができるものの、1円のプレミアム分は支払われない。買い取った電力の付帯サービスによる収益で吸収することになる。

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